リスキリングで「資格試験に合格する人」と「受験前に挫折する人」を分ける3つの行動
「今年こそは資格を取得して、スキルやキャリアアップにつなげたい!」と、資格試験合格を新年の目標にする人は多いもの。しかし、1年後に合格できているかといえば、明暗は分かれる。合格する人もいれば、そもそも受験前に挫折してしまう人も。資格スクールで数多くの「大人の受験生」たちの指導に当たってきた筆者が、合格する人・挫折する人の違いについてお伝えする。(税理士・司法書士 碓井孝介) ● 「資格勉強に挫折する人」がやりがちな 3つのNG行動とは? 挫折しないために重要なのは、「挫折する人の特徴」を理解し、その行動や考えを徹底的に回避すること。つまり、挫折する人を反面教師にするのです。 挫折する人の特徴その1:勉強の「環境」を整えていない 学生であればいざ知らず、社会人であれば、まずは「環境」を整えることが極めて重要です。社会人は仕事だけでなく、家事や育児に追われる日々だからこそ、勉強できる状況を意図的に作り出す必要があるのに、挫折する人は環境を整えることに無頓着です。 まずは家族やパートナーなどの身近な人に、資格の勉強に時間を投資することを伝え、理解を得てください。 また、「物理的な勉強環境の整備」も行いましょう。社会人になると、自宅に勉強に適した机がない場合があります。勉強机を購入したり、自宅の近くにレンタル自習室(多くの場合は有料)があれば、その利用を検討したりすることも大切です。 挫折する人の特徴その2:勉強を「後回し」にする 勉強は、やり続けること自体がモチベーションにつながります。毎日机に向かっていると勉強が生活の一部、すなわち習慣になり、その習慣を維持しないと落ち着かなくなるのです。
多忙な社会人が勉強を習慣化するためには、とにかく毎日机に向かうことが重要です。そして多忙な状況で毎日机に向かうためには、「勉強は、仕事や家事などのタスクの後にするもの」という認識を捨てなければなりません。 挫折する人は、仕事(や家事)が終わった残りの時間に勉強しようとします。彼らにとって勉強は、「後にするもの」なのです。 後回しの思考では、勉強時間を確保することは困難だといえます。むしろ「勉強を仕事などのタスクの前に行ってしまう」というスタイルが非常に効果的です。 挫折する人の特徴その3:目標設定が高すぎる また、目標設定が高すぎる人は要注意です。「今のあなたの状況」からして、目指す試験の難度があまりにも高く、「合格可能性」がほとんどない場合はほぼ挫折します。 例えば毎日残業があり、勉強できる時間が1日に30分しかないのであれば、難関である公認会計士試験や予備試験(司法試験の受験資格を得るための試験)の合格を目指すことは無謀です。 目標を設定する際は、自分の今の状況で達成できる目標なのかどうか、勉強を始める前に考えることを強くおすすめします。勉強したのに試験に落ちてしまうと、得られるものはほとんどない、というくらいの覚悟で勉強に向かってください。 ● 目標を決めるときは 「合格可能性」を意識する 繰り返しますが、目指す資格を決める際には「合格可能性」も意識しましょう。 今の自分の状況で達成できるかどうか、見定めてから勉強を開始するのです。「今の状況」から目標達成が不可能だといえるのなら、目標を変えるか、状況を変えるか、そのいずれかが必要です。 合格可能性を検討する上でまずするべきことは、資格合格のために必要な総勉強時間と合格者の平均的な学習期間を把握すること。そして、自分が1日あたり必要な勉強時間を確保できるかどうか、確認することです。 これらは資格スクールの資料やインターネット情報などから読み取れます。