温泉オタク会社員が「ひとり客におすすめの温泉地」に<別府>を強く推す理由とは。「箱根や熱海はひとりに不向きな面が…」
訪れた温泉は約500湯、女ひとりで温泉を巡りまくっているという永井千晴さん。旅行情報誌編集部で働いた経験を活かし、現在は「温泉オタク会社員」としてブログなどで温泉情報を発信しています。その「温泉オタク会社員」こと永井さんが温泉の楽しみ方を紹介する当連載。今回のテーマは「ひとり客にも推せる人気温泉地」です。 【書影】永井さんおススメの温泉がこの一冊に!『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』 * * * * * * * ◆ひとり客にも推せる人気温泉地 私の初めてのひとり温泉は、大学1年生のころに訪れた熱海温泉(静岡)でした。 大学生ならではの焦りを抱え、18歳には目新しい「自由に使えるお金と時間」をもてあまし、平日にふらりと訪れた温泉地。 当時は温泉が好きとか、この湯がどうとか考える由もなく、ただ目についた温泉施設に体を沈め、海辺をカメラ片手に散歩しただけでした。 10年近く前の熱海は、今よりも落ち着いていて、居心地がすこぶるよかったのを覚えています。
◆「ひとり温泉」と「遊びに来た!」の違い 熱海は近年、大きな商業施設やおしゃれなカフェ、気の利いた日帰り温泉施設が増え、ものすごーく人気になりました。 もともと全国の人気温泉地ランキングでは上位でしたが、もはやいつ行っても賑わっている状況です。 そもそも、「人気温泉地」のほとんどは、都市に近く、観光とアクセスが充実しているがゆえに、「行ったことがあるから、1票入れる」といった感じで選出されている気がします(個人の感想です)。 箱根がずっと1位なのも、きっと「行ったことがある」の母数が多いからじゃないかなー、なんて。 私が今、ひとり温泉の行き先を選ぶとしたら、おそらく熱海は選ばないでしょう。熱海は大好きな温泉地ですが、どこもかしこもにぎやかで、ひとりで訪れたら、なんだか居心地が悪そうな気がします。 例えば、ランチに入ったお店や、ふと立ち寄った日帰り入浴。どこもかしこも「遊びに来た!」な雰囲気のお客さんばかりだから、静かに温泉に浸かることはかないません。 「遊びに来た!」な雰囲気が悪いのではなく、ひとり温泉客とは具合がずいぶん違うのです。
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