センバツ出場の智弁学園・前川、バットを借りて2打点 練習試合
第93回選抜高校野球大会に出場する智弁学園(奈良)は7日、関大北陽(大阪)と練習試合を2試合行い、6―4、2―2で1勝1分けだった。今大会注目の強打者、智弁学園の前川右京(2年)は3番・左翼で2試合に出場し、計5打数1安打2打点だった。 【写真】センバツ応援ポスターに小泉のんさん 不調に苦しむ左打者が第1試合の第4打席で手にしたのは、チームメートのオレンジ色のバットだった。七回1死二、三塁。「コンパクトに打とう」と追い込まれながらも外角低めを中前に運び、2走者を還した。 高校通算30本塁打を誇るが、調子は今ひとつ。打線の要として活躍しないといけないという責任感が力みを生み、「甘い球ほど上体が開いてしまっている」という。この日も1試合目の3打席目まで無安打と良いところがなかった。 苦しむ中で思いついたのがバットの変更だった。いつもの黒色のバットよりも「軽い」というチームメートの竹村日向(同)のバットを使ってみた。公式戦で他人のバットを借りたことはないといい、あくまで「応急処置」だったが、好機で何とか一本を出した。 大会第4日(22日)第2試合で2020年秋の近畿大会決勝で破った大阪桐蔭と再戦する。大阪桐蔭の右腕・関戸康介(同)が6日に150キロをマークしたという記事を見た前川は「相手はだいぶ仕上がっている。甲子園に向けて一打席一打席を大事にしていきたい」。調子もバットも元に戻して聖地へ乗り込む。【安田光高】