カブス今永昇太、マウンド上であえて「ここは絶対に抑える」声に出す…有言実行で「一つ信頼を結べた」
◆米大リーグ レッドソックス1―7カブス(26日、米マサチューセッツ州ボストン=フェンウェイパーク) 【動画】同時刻の大谷翔平は大ブーイング浴びながら今季7号!! カブスの今永昇太投手が、26日(日本時間27日)、敵地でのレッドソックス戦に先発し、7回途中まで投げて、ソロ本塁打を含む4安打1失点で、デビューから4連勝をマークした。4回、オニールに中越えの8号ソロを浴びたが、許した失点はそれだけ。7-1で迎えた7回一死一塁で球数88球で降板。7奪三振、1四球と安定した内容で、防御率0・98で0点台をキープ。開幕から5試合で4勝目となった。 噂のルーキー左腕が、聖地フェンウェイパークでベールを脱いだ。初回。先頭のデュランのバットを伝家の宝刀「スプリットチェンジ」でへし折り、マウンド右側に飛んだ緩い当たりに身を翻して好捕。投直に打ち取ると3回まで打者9人と完璧な立ち上がりをみせた。 4回1死からオニールに直球を中堅に本塁打され、1失点。なおも1死一、二塁のピンチを背負うが、後続を各2球ずつで料理した。6回2死一、二塁のピンチは、この日7つ目の三振斬りで切り抜けた。ストライク率は72%。88球中14球で空振りを奪った。セーフティーバントなどの揺さぶりにも好守で動じず。4被安打も100マイル超えの強い当たりは、本塁打を含む2本だけ。2巡目以降はカーブも散りばめ、相手打線をほんろう。強振を許さなかった。 「ストライクゾーンでしっかり勝負ができたことが、球数を減らすことにつながったと思います」。自身初の7回のマウンドに上がり、1死一塁で降板すると、自ら拍手しながらマウンドを降り、ベンチで味方ナインと祝福のハイタッチに笑顔が弾けた。 試合前はベンチに出て、球場形態をチェック。94・5メートルと極端に狭い右翼、名物グリーンモンスターがそびえる左翼などを頭に入れた。マウンドに上がると、粘土質が強く、スパイクの歯が抜けにくい感覚に戸惑ったというが、すぐに微調整。持ち前の適応能力の高さは、周到な準備と、研ぎ澄まされた感覚に支えられている。 ギアを上げたのは5回二死。遊撃手スワンソンの失策で二進を許した場面。マウンドであえて「ここは絶対に抑える」と声を出し、デュランを右飛に打ち取った。試合後、謝罪に来たスワンソンに対し、「彼の守備に助けられることもたくさんある」と今永。「そこを淡々と抑えることで、今日、一つ信頼を結べた」と登板を重ねて強まる絆をかみ締めた。 開幕から5試合で4連勝と旋風は続く。「うまく行き過ぎているところもある。信頼を積み重ねるのは、信頼を崩すことよりも難しいこと。この信頼を一気に崩さないようにやりたいなと思います」。ルーキー左腕は、謙虚に前を見つめた。 ◆カブス・カウンセル監督「ほぼ、いつも通りという感じ。ストライクゾーンを攻め、毎回、闘争心ある登板を重ねている。いい守備のプレーもあって手早くアウトを重ねていった。7回まで投げて80球台は、素晴らしい」
報知新聞社