「人生が物足りない」からはじまった挑戦 「母・会社員・副業」を両立することで得られたものとは
夫婦で「チーム」として、互いを理解し合いながら支えあう
複業中で、子育てをしているあいさんの一日のスケジュールをご紹介します。 【一日のタイムスケジュール】 4時:起床 4時から5時半~6時:副業 6時:ご飯の準備などの家事 8時過ぎ:子どもたちの送迎 8時半:本業(リモート) 16時:終業(時短勤務中のため、残業することもある) 16時~17時:自分時間(読書など) 17時:送迎、家事 21時:子どもたちとともに就寝 基本はこのスタイルですが、納期が迫っているときは、お子さんを寝かしたあと0時まで仕事をして朝は6時に起床するなどして、調整しています。この生活にあいさんは「常にうまくいくか、いかないかというギリギリを走っている感覚」だといいます。 旦那さんとの家事・育児のバランスについて、夫婦の間では「分担」という概念があまりないそうです。それは、あいさん一家だけで地方に移住したことが大きな理由でした。この「地方」とは旦那さんの祖父母の故郷で、結婚する前から地方移住が条件として伝えられていました。 まったく知らない土地に来て、2人とも頼れる人が誰もいない状態。そのため「それぞれが、できることはできるときに。やるしかない!」というチームの意識が夫婦間にできたといいます。 しかしながら、あいさんが複業体制になってから少しずつモヤモヤが溜まっていきました。 「私がリモートで働いているからだけど、私の方が子どもを見ている時間が長くない?」「仕事だから仕方ないけど、帰宅時間も遅いよな…」「子どもの朝の送迎はいつも私。子どもがぐずって行けないとき、会社の朝礼に出られないこともあった。あっちはフリーランスだから、時間に融通をきかしてくれないかな?」と思うようになります。 そこで、モヤモヤが溜まりはじめた段階で自分の気持ちを感情的にならないように意識し、冷静に打ち明けたそうです。 あいさんがお願いしたかったのは「たまにでもいいので朝の送迎をしてほしい」という内容で、旦那さんからの返事は「クライアントの関係で、それは厳しい」というものでした。しかし、そのあと「その代わり週1回は早く帰ってくるから、その日はどこかで仕事してきなよ」と、思っていた以上の代替案を提示してくれたのです。あいさんは驚きとともに勇気を出して話してよかったと感じました。 それからも、思ったことは小出しに伝えているといいます。 「夫は『また言っている』とか『姑みたいだ』と感じているかもしれない」と、あいさんは笑いながら話してくれました。 この話し合いから月日が経った現在、お子さんが小学生になったことをきっかけに、生活リズムが少し変わり、旦那さんは朝の送迎に加え、それまでの時間に晩ご飯の支度をしてくれているそうです。その分、あいさんも朝の時間に少し余裕を持てるようになり、ほかの家事をその時間にこなしています。 家族の状況に合わせて、流動的にカバーをしあいながら生活できる理由。それは、お互いの仕事を理解しあえていることと夫婦間のチーム意識。それに加え、ほかにも理由があるとあいさんは感じています。 それは旦那さんが2ヶ月間の専業主夫の経験をしたことでした。お互いが家事・育児の大変さをわかっているからこそ、一緒に何事に対しても真摯に向き合えているようです。