川崎ブレイブサンダースが悲劇の大敗を乗り越え、進化するために──篠山竜青「もう一度原点に立ち返って」
好調の前半から一転…後半のスコアは18-51
B1レギュラーシーズン第5節で、群馬クレインサンダーズをホームに迎えた川崎ブレイブサンダースは、ゲーム1を62-89で落とした。27点差というスコアはもちろんだが、それ以上に試合内容が簡単に受け入れられるものではなく、それは“惨事”とも言うべき大敗だった。 前半は川崎のペースだった。ロネン・ギンズブルグHCが打ち出すアップテンポなバスケットを体現し、群馬のディフェンスを翻弄。アリゼ・ジョンソンが果敢なペイントタッチからコーナーやウィングにキックアウトし、長谷川技や篠山竜青、マシュー・ライトらがオープンで3Pシュートを決めていく。 前半を終えて44-38。川崎はジョンソンの3本を筆頭に6選手が計10本の3P(試投数16本/62.5%)を決めてハーフタイムを迎えた。 しかし後半、その勢いは見る影もなく消えてしまう。群馬のディフェンスでのアジャストもあっただろうが、それよりも自分たちのスタイルを見失い、オフェンスは個人技一辺倒の淡白なものになってしまった。ディフェンスでも、良い守りは見せてもオフェンスリバウンドやルーズボールからのセカンドチャンスポイント、あるいはショットクロックギリギリのタフショットをねじ込まれるなど、守り切ることができず。 3Qに逆転されると、4Qは完全に主導権を奪われて5得点しかできずに、相手には25得点を献上した。後半のスコアは18-51。完敗という以上にメンタル的にも応える負け方になってしまった。 「後半に関しては本当に何も言えません。全員が今日来てくださったファンの皆さんに謝罪しなければいけないという思いです」 ギンズブルグHCの表情は険しかった。 「もちろん群馬さんも対策をしてきたとは思うんですけど、それ以上に問題だったのが16オフェンスリバウンドを取られたこと。そこから18点取られてしまっています。自分たちがしっかりディフェンスをしている中でショットクロックギリギリのところでシュートを打たれて、それをオフェンスリバウンドでつながれる。そういうギリギリの場面で向こうが集中できるようになったというのもありました。それに、50-50ボールをハッスルして取り切れなかった部分も良くなかったと思いますし、自分たちの簡単な、不必要なターンオーバーが連発してしまって、相手を流れに乗せてしまいました。それで群馬のシュートタッチも戻ってボールがどんどん動くようになって、相手のやりたいバスケットをやられてしまいました。後半は本当に自分たちのハート不足だったと思います」 ギンズブルグHCの言葉どおり、前半あれだけ入っていた3Pは後半1本も決めることができず、試投数も僅か7本にとどまった。特に終盤にかけてはボールが外で回るだけで、攻め気が感じられない場面も散見。結果以上の課題を突きつけられる敗戦に、ギンズブルグHCも終始暗いトーンで会見を終えた。