「自分の意思では治せない」ギャンブル依存症を克服した専門家がその理由を解説!
ギャンブルは娯楽のひとつとして、多くの人が嗜んでいる。しかしハマりすぎるとお金がなくなり、生活に支障をきたすことも。 「自分は大丈夫」と思っていても、実はギャンブル依存症へ足を一歩踏み入れているかもしれない……。
今回は、ギャンブル依存症の経験を持つ田中紀子さんに、ギャンブル依存症について詳しく伺った。
ギャンブル依存症とは? 楽しくてやっているわけではない?
ーーギャンブル依存症とは、どのような状態ですか? ギャンブル依存症は「苦しくて、つらくて、ギャンブルはしたくない。だけど、やめられない」という状態になる病気です。 病気になると生活や、お金を使う優先順位が狂ってしまいます。例えば借金をしてまでギャンブルをしている方などは、依存している可能性が高いです。自分自身をコントロールできずに、借金を繰り返してしまっていることが考えられます。 ーーなぜ、やめられなくなってしまうのでしょうか? 原因は、神経伝達物質のドーパミンが関係しています。 まず脳の神経シナプスは、神経情報を出力する側と入力される側の間に発達した、情報伝達のための接触構造です。脳全体に張り巡らされていますが、一直線につながっているわけではなく、少し間が空いています。この空間にドーパミンが放出され、受容体で受ける仕組みになっています。 ドーパミンは人をやる気にさせたりワクワクさせたり、快感を与えてくれる物質です。ゲームやギャンブル中、アルコール摂取中などにドバッと出てきます。 一般の人たちは、ドーパミンを増やす行動をやめれば、放出量が元に戻るというサイクルを繰り返しています。 しかしギャンブル依存症になると、日常生活のドーパミン放出量では受容体が満足せず、ギャンブルの刺激を求めてしまうのです。 受容体の感受性が悪くなると気持ちが下がりやすくなり、うつ病と同じように死にたい・つらいと思うようになります。気持ちを上げようとするとギャンブルするしかないので、依存してしまうんです。 なのでギャンブル依存症になった人は、楽しくてやっているというより、やめたいけどギャンブル以外で気分が上がらないからやってしまうのです。