サントリーHD鳥井信宏次期社長 「やんちゃに楽しみたい」 創業家から約10年ぶり
約10年ぶりの社長交代。創業家出身の社長は佐治信忠会長以来となる。 「褌を締め直すというか、もう一回基本に立ち返って地に足つけて頑張ろうという思いだ」。12日、東京都内で開いた記者会見で、社長就任を新浪剛史社長から打診されたときの気持ちをこう語った。 米ブランダイス大院修了後、日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)を経て、1997年にサントリー(現サントリーホールディングス)に入社。飲料事業や酒類事業の子会社社長を歴任するなど、グループの幅広い分野で経験を積んできた。 会見で新浪氏は、鳥井信宏氏の性格を「粘り強い、一つ決めたら必ずやりきる。人の話をよく聞く。決めたら早くやる」と評した。 サントリーは、新浪氏が就任する2014年まで、創業者一族の鳥井家と佐治家が社長を4代務めている。それだけに、いずれ社長に就任することは誰もが認める既定路線と目されてきた。 「さまざまなことを考えすぎて縮こまってしまうより、思い切ってやりたいことを目指し、やんちゃに楽しみながら進めていきたい」。社是の「やってみなはれ」精神は、次期社長にも受け継がれている。(小島優)