「あおってないです!」「本当に?」 実は“無自覚”で「あおり・あおられ運転」やってたかも? 全ドライバーが気をつけたい「運転時の注意点」とは
注意力散漫な運転が「あおり運転」を誘発しているケースも!?
さて、知らず知らずにやってしまうあおり運転として思い浮かぶものに、“車間距離不保持”があります。 これは近年、急速に装備化が進んだ「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」を作動させて高速道路を走行し、車間距離設定を最短にしているときに、発生する恐れがあります。 ACCはぴったりと車間距離を一定に保つため、短い車間距離を設定したまま高速道路を走ると、前走車は後ろにぴったりとくっついて「あおられた」と思ってしまいがちです。
そして減光等義務違反も、知らず知らずにやってしまう恐れがあります。 近年のクルマは、かつてのハロゲンヘッドライトよりも明るく広範囲を照射できるLEDヘッドライトの標準装備化が進みました。 ロービームでも明るいので、ハイビームにしたまま走行しても気が付きにくくなってきたことに加え、オートハイビームの搭載も進んだため、自らいちいちロービーム・ハイビームの切替をしなくなったことも、ついうっかりハイビームのまま走行してしまう要因となっています。 また、年末年始にありがちなのが、乗車定員目いっぱい人を乗せ、ラゲッジルームに重たい荷物を載せていて、通常のロービームで走っている場合です。 もちろん、この行為自体は何も悪いことをしていないのですが、たくさん人と荷物を乗せるとクルマが後ろに沈み込み、結果としてヘッドライトが上を向いてしまうのです。 前走車にとって、後ろが沈み込んだ後続車のヘッドライトはまるでハイビームされているかのように非常にまぶしく映り、結果として「あおられた」と感じてしまうのです。 光軸調整が付いたクルマに乗っている場合は、適切に調整することに心がけましょう。 パッシングやクラクションも要注意です。 道を譲るつもりでパッシングやクラクションを鳴らしたとき、相手が「あおられた」と感じてしまうことがあります。状況によっては、パッシングやクラクションでは意思の疎通が難しい場合があります。 そうならないようにするための方法のひとつは「アイコンタクト」です。 譲ってあげたいクルマのドライバーとアイコンタクトをすれば、パッシングやクラクションの意味が相手にも伝わりやすくなります。 逆にいえば、アイコンタクトできない状況でパッシングやクラクションを鳴らすことは、しないほうが無難かもしれません。 ※ ※ ※ 高速道路を走行中、後続車からあおられたと感じた人はいませんか。その場合、自身の運転も顧みる必要があります。 追越し車線は、文字通り「追越し」のための車線で、追越しが済んだら速やかに走行車線にもどる必要があります。 無意識なままいつまでも留まっていると、「車両通行帯違反」の恐れがあります。 これは多くのドライバーが知らず知らずにやっている光景をよく見かけます。 あおり運転に遭遇しないためにも、ドライバーすべてがこのことを強く意識する必要があるでしょう。
佐藤 亨