スペーシア シリーズの最新モデル「ギア」に試乗しながら、シリーズ全体の人気動向などを考察する
ギアの登場で人気上昇中のスペーシア シリーズ
さて、ノーマルとカスタムの新型スペーシアが登場してからほぼ1年。2023年11月~2024年10月の登録台数は、16万1160台。月間目標販売台数は1万2000台だから、十分にクリアしている。なお、スペーシアギア(以下、ギア)が加わってからの月間目標販売台数は1万4000台に引き上げられた。 ギアも加わってからの登録台数は、2024年9月は1万5823台(前年同月比+35.3%)、10月は1万4234台(同+50.8%)と、なかなか好調だ。軽自動車のランキングでは9、10月ともN-BOXに次ぐ2位だが、10月のN-BOXは1万6821台(前年同月比-26.7%)と肉薄しているので、11月には首位を奪う可能性もありそうだ。 ここからのデータはギアの発売前なので、ノーマルとカスタムによるものとなるが、まず人気グレードは、以下のとおり。 1)スペーシア ハイブリッドX 2)スペーシアカスタム ハイブリッドXS 3)スペーシアカスタム ハイブリッドXSターボ ギアが発売される前の、ノーマルとカスタムの比率は、4:6。ちなみに、先代の末期の販売比率は、ノーマル4:カスタム4:ギア2といったところ。ギアの販売が落ち着くころには、ほぼ同じような比率になるだろうか。それとも先代以上にギアの人気が高まるか? なかなか気になるところだ。 パワートレーンの比率では、自然吸気(NA)が約7:ターボが約3。また、駆動方式の比率では、2WD(FF)が約8:4WDが約2と、自然吸気の2WDが全体の半分以上を占めることになる。もっとも、この比率もギアの登場で変わる可能性は大きい。 人気のトップカラーは 1)ピュアホワイトパール(2トーンルーフ含む) 2)ブルーイッシュブラックパール3 3)オフブルーメタリック(2トーンルーフ含む) と、モノトーン系が強いのは、日本市場における他のクルマと同様のようだ。 標準装備が充実しているスペーシア シリーズゆえ、メーカーオプションで装着されるのは、全方位モニター付きメモリーナビ・スズキコネクト対応通信機とセーフティプラスパッケージくらいだが、後者は標準装備されているグレードもある。 購買層では、シリーズ全体で40~60代のユーザーが中心。子育てファミリーだけでなく、子育てを終了した「エンプティネスター」も多いようだ。また、ノーマルは女性ユーザーが約7割、カスタムは男性ユーザーが約6割を占めている。 スペーシアを選んだポイントとしては、広くて快適な後席空間、インテリア全体の質感や雰囲気、ボディカラー(2トーンルーフ)、ステアリングヒーターや全方位モニター装備などが挙げられている。また、先代と比較すると他メーカーのスーパーハイト軽からの乗り換えも増えているという。 先代スペーシアギアが先鞭をつけたクロスオーバーテイストのスーパーハイト軽というジャンルは、多くのライバルが登場して完全に確立されたようだ。ところで、フッと気になったのは、まだ先代のままで発売されているスペーシアベース。おそらく2025年にはフルモデルチェンジでは?と予想されている。ギアとは違うテイストだが、この新型が登場すれば、スペーシア シリーズの人気はさらに拍車がかかることは間違いないだろう。(文:篠原 政明)
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