仕事がデキすぎるコンビニ外国人スタッフはいかにして生まれるのか? その謎を中の人に聞いてみた
18時間~最大5日間の研修を経て店頭へ
私ごとですが、30年以上昔の学生時代にローソンでアルバイトをしていた経験がある筆者。ここで実際に藤井さんから、日頃、外国人スタッフにトレーニングしているという「レジ打ちの研修」を受けましたが、レジが当時のものと変わっていて、慣れるのにけっこう時間がかかりました。 「面接などをクリアした外国人スタッフ希望者の方の研修は、だいたい6つのステップに分けて実施しており、平均18時間ほどの研修を経て、実際に店頭に立つ方が多いです。一方、なかなか覚えられない外国人の方でも最大5日間くらい研修を受ければ、そのまま店頭に立てるようになります」(藤井さん)
「雨が降っているから今日は行きません」
研修を一定時間のトレーニングでマスターし、店頭に立てるようになる外国人スタッフ。その一方、雇用後に日本人の想像を超えたところで、ギャップや問題が生じることもあるそうです。 「働く文化の違いですね。この点も研修でしっかり覚えていただくようにしていますが、たまにあるのが『雨が降っているから今日は行きません』というもの。ベトナム人の方に多いのですが、ベトナムでは雨が降るとお店を閉めるケースが多いようで、日本に来ても『雨ならお休みだろう』と思う方が多いようです。 また、ボールペンの色も諸外国で微妙に異なり、アジア圏の多くの国では“青色のボールペン”を使うことが多いようです。でも、日本ではボールペンと言えば“黒”ですよね。つまり青色のボールペンでお客さまに何かを書いてお渡しした場合、『なんか変だぞ。なぜ青色なんだ』と思われてしまいます。こういった働く文化・慣習の違いも、研修ではしっかり覚えていただいています」(藤井さん) 確かに日本で普通に生まれ育った筆者としても、ボールペンは青字がデフォルトといった細かい外国の慣習は想像しにくいものがあります。こういった点も、ローソンスタッフは最大の配慮と注意をもって研修しているそうです。
外国人スタッフに人気の「コンビニ食」は?
さて、ここでもう一つ気になるのが外国人スタッフにとっての「コンビニ食」です。彼らにとっては、日本のコンビニには食べ慣れない食べ物も多そうですが、特に人気の商品は何でしょうか? 「外国人店員さんの間で一番人気は『サラダチキン』です。さまざまな味付けのものがあり、母国の料理の味に近いものもあるのか、多くの方が好んで食べられています。また、ローソンでは、店内調理のお弁当やおにぎり、サンドウィッチなどを提供する専用キッチンを設けた『まちかど厨房』がある店舗があります。この『まちかど厨房』の弁当類も彼らに人気で、こちらでは日本的な弁当類などが好まれているようです」(藤井さん)