由美かおる73歳でもY字バランス「健康と体型維持の秘訣は呼吸法。ストレスで呼吸が浅くなっている人の不調に、座ってでもできる《コア呼吸》を」
◆リラックスして心身のバランスを整える 体形や姿勢をバランスよく保つことも、私がお教えする呼吸法の目的の一つ。 40代の娘さんと一緒に参加なさった70代の女性は、猫背で腰椎が前傾しているため、横から見るとS字体形でした。脂肪がついているわけではないのにお腹がポッコリ出ているように見えてしまう、と悩んでおられたのです。 姿勢を意識して深く呼吸することによって、体の緊張が緩んで、姿勢も整う、といった好循環が生まれます。ブリージングを習慣化することによって、歪んだ体が元の状態へと整い、見た目にも美しい姿を取り戻すことができるのです。 足腰が弱くなると、筋力をアップしたいと考えがちですが、骨が脆くなっていたら、うまく歩くことはできません。もちろん筋トレも大事とはいえ、それ以前に、呼吸を通して骨や筋肉や内臓、血液で体全体の細胞に酸素を届けることが大切なのです。 呼吸法を行っていると代謝がよくなって、食べても太りにくい体になるので、私には冷えや不眠の悩みがありません。 ストレスや疲労感に悩む声も、とても多いですね。ストレスは心も体もこわばらせて、老化を早め、さまざまな病気を引き起こすこともあるので要注意です。
だからといって「リラックスしてくださいと言われても、難しい」とか、「そもそもリラックスした状態がわからない」という方もいます。 その場合にもやはり、呼吸法がおすすめです。呼吸に集中することで、「XXしなければいけない」というような雑念や思い込みを打ち消す。 そして、何ものにも縛られない無重力のような感覚をイメージする時間を1日に5分でもいいから取り入れることで、次第に緊張とリラックスの切り替えスイッチを備えられるようになるでしょう。 多くの人がストレスのない暮らしを望みますが、現代社会に生きている限り、まったくストレスのない毎日を送ることは不可能。大切なのは、それにどう対処するかなのです。 私だって、いいことばかりではありません。迷うこともあれば悩むこともあるし、ときにはカチンとくることも(笑)。 でもそんなとき、私は間髪を入れずにブリージングのコア呼吸を行います。これがメンタルの切り替えスイッチになって、悪い出来事ではなく、いい出来事を見つめようと気持ちを切り替えることができるのです。 自分で自分の気持ちをポジティブなほうへとコントロールする。これこそが明るく生きるための秘訣だといえるでしょう。 (構成=丸山あかね、撮影=西田幸樹)
由美かおる