“カレーでおいしく”食品ロス削減 「廃棄ケーキ」「外来種」を具材に 「廃棄米」も
日テレNEWS NNN
日本テレビは今週、「グッドフォーザ・プラネット」グップラ・ウイークとして、地球にいいこと、人にいいことを紹介していきます。 3日は「食品ロス削減」についてお伝えします。日本の国民食ともいわれているカレーですが、捨てられてしまう食材をカレーの具材に活用してロスを削減する取り組みを取材しました。
「カレー」とは無縁の存在に思える「ケーキ」ですが、なんと「ケーキを入れたカレー」が存在するといいます。 横浜市のケーキ店「パティスリーブーケ」。カレーに入れる“ケーキ”はキッチンにありました。ふわふわに焼けたスポンジケーキをカット。ただ、上下についた焼き目は、ケーキの食感を損なわないよう捨てざるを得ない部分でした。 パティスリーブーケ・パティシエ 力石加耶子さん 「やっぱり、硬くなっちゃうので、そこはいつも落として。焼き色が強くて口当たりがパサついたものになってしまうので」
食べられるのに捨てられる部分があると知り、どうにかしたいと考えたのが、授業で食品ロスについて学んだ地元の小学生たちです。焼き目を砕き、新感覚の「レトルトカレーの具材」にすることを考案、商品化にこぎつけました。 パティスリーブーケ・パティシエ 力石加耶子さん 「聞いたときはビックリしたんですけれども、すごい甘いわけではなく、ちょうどよく、スパイシーな香りが立つカレーですね。廃棄されるところがお客さまにも食べてもらえる商品にもなるということはすごいうれしい」
商品化をサポートしたのは、都内にあるレトルトカレーの販売・開発を手掛ける会社「モッタイナイバトン」です。ケーキ店の食品ロスにとどまらず、高校生とタッグを組み生態系を脅かす「外来種」をもカレーの具材にしていました。
日本で2番目に大きい湖、茨城・霞ヶ浦。湖のエビやワカサギを食い荒らすのは、食欲旺盛で繁殖力が強い特定外来生物「アメリカナマズ」です。 立派な体とヒレに鋭いトゲを持つため、漁師が網を破られたり、けがをさせられたりすることもある“困った存在”も今年3月、レトルトカレーとして発売されました。(ぶんじカレー チャネルキャットフィッシュカレー 550円) 記者 「スパイスのいい香りがします、いただきます。ナマズはしっかりとした食感なんですけれども、味は淡泊でその淡泊な味をカレーのうま味が包み込んでいます」 捕獲してすぐのアメリカナマズは、臭みや肉質などそのまま食べるには不向きだといいます。 そこで捕獲した後、地元の養殖場で1年ほど、決められたえさだけを与え、おいしく食べられる状態になったアメリカナマズをカレーの具材に。たんぱく源として活用しながら“迷惑”な外来種を減らすことが期待されます。