“カレーでおいしく”食品ロス削減 「廃棄ケーキ」「外来種」を具材に 「廃棄米」も
大阪には今、問題となっている「異常気象」に向き合うカレーがありました。きっかけは米を育てる農家の悩みでした。 西河農園 西河大輔さん 「こんなのです」 記者 「あ、こういう白い」 西河農園 西河大輔さん 「結構、気温が高いのでお米も高温障害になりやすくなっています」
年々深刻化する極端な猛暑や雨不足など。去年の夏、日本の平均気温は統計開始からの125年間で最高となり、地球温暖化がなければ起こりえなかった記録的な高温となりました。 米は実る時期に気温が高いと生育が悪くなり、白く濁ったり、緑色の未熟なまま収穫されたりして廃棄される米が増えるといいます。 大阪の西河農園では、気温だけが原因ではないものの“廃棄米”が全体の1割ほどに増加したといいます。 西河農園 西河大輔さん 「消費者の方が好んで食べないものになるので流通しにくい」
事態を打開したいと乗り出したのは、大阪市内でだしをベースにしたカレーを提供する飲食店の経営などをする会社です。 ジパングフードリレーションズ 安藤育敏社長 「まだ食べることができるのにもったいないなって」 “廃棄米”を買い取り「米粉」にすると、小麦粉の代わりにカレーのとろみづけに活用。和風のだしカレーと米粉は相性がいいといいます。 ジパングフードリレーションズ 安藤育敏社長 「より自然なとろみになりますし」
カレーを入れる「レトルトパウチ」にも地球温暖化による「異常気象」に歯止めをかける工夫がありました。 記者 「このレトルトパウチ、紙でできているんです」 熱湯に耐えられる特殊な紙を使うことで、アルミのレトルトパウチと同じように湯煎で温めることができます。この紙製パウチは、一般的なアルミのレトルトパウチに比べ、プラスチックの使用量を約25%、製造時のCO2排出量を約17%削減できるといいます。 TOPPAN株式会社 奥山訓さん 「紙を主材料にすることでプラスチック量を減らしました。製造時のCO2が多いアルミ箔(はく)の使用を少なくする」 異常気象の原因の一つとなる「地球温暖化」を食い止めるには、温室効果ガスのCO2を減らす必要があり、製造や焼却処分でCO2が出るプラスチックを減らすことも第一歩です。 ◇ 暑さがこたえるこれからの時期、カレーを食べながら過ごしやすい地球にするためにできることを心がけてみませんか?