「DX化の良い例だ」「セブンやヨーカドーも見習うべき? …。スシローが急拡大する「デジタル回転レーン」は一体何が凄いのか?
実際、スシローの運営会社であるFOOD & LIFE COMPANIESの2024年9月期決算資料を見ると、近年力を入れている海外出店が42店舗の増加に対して、国内の新規出店数は5店舗の増加にとどまっている。 こうした中、DX化を行って店舗運営効率を上げたり、より魅力的な店舗空間を作って国内の回転ずし客のシェアを取っていかなければ、成長の伸びしろはないわけだ。 ■店側にとってメリット満載のデジロー
そんななか取り入れられたデジローは、店側にとってこうした問題を解消するメリットがふんだんに詰められている。 1つ目は、キッチンの作業効率の高まりだ。注文にかかわる人的コストを減らすことができ、店舗運営の能率が上がる。 実はスシローでは、デジローにくわえて「オートウェイター」というシステムも導入しているが、これはタッチパネルで頼んだ商品が自動でテーブルまで運ばれてくる仕組み。デジローとの合わせ技で店舗運営の効率アップに大きな貢献を果たしている。
2つ目は、デジローにより客単価も増加する、という結果だ。店舗数が天井に達している現在、国内で売り上げを上げるためには客単価の増加をはかるのが一つの手段だが、まさにデジローはそれをかなえてくれるのだ。 あくまで筆者の推測だが、客単価が増加する背景には、以下のような理由があると思う。 デジローをトライしてみるとわかるのだが、これ、どこかゲームのようなのだ。商品をタップするのが楽しい。これまでのパッドでの注文だと、顧客は欲しいものだけを注文するため、興味のない商品を見る機会はなかった。
けれど、デジローの場合は画面にどんなすしネタが流れてくるのかわからないところがあって、興味のなかった商品でもゲーム感覚でタップしてしまう。これが、客単価のアップにつながっている(と筆者は思う)。 いずれにしても、デジローがもたらす店側へのメリットは大きいのだ。 ■デジローは顧客にとってもメリットが多い さらにデジローが優れているのは、店側の都合だけでなく、同時にこれが「顧客満足」にもつながっているからだ。事実、発表によれば、デジロー導入店では「顧客満足度」のアップも見られたという。