大谷翔平の通訳・水原氏「ギャンブル依存症」と告白か、なりやすい人の特徴や原因を医師が解説
ギャンブル依存症の対処方法
編集部: 身近な人がギャンブル依存症になった場合の対処方法を教えてください。 伊藤先生: この病気は本人に自覚症状がなく、周囲の人がカウンセリングを勧めて初めて発覚するケースが多いです。早期に発見できるほど治療が容易になりますので、家族の方などが違和感をおぼえた場合は、早めに本人と病院に向かわれることをおすすめします。 以下に、この病気のサインとして知られるものを紹介しましょう。 ・日常のほとんどの時間を賭け事に費やすようになった ・賭け事や借⾦に関して嘘をつくようになった ・賭け事による借⾦を返すために、さらにギャンブルをするようになった これらの行為に気付いたら、たとえ本人が依存症を否定しても、一度専門機関に相談されることをおすすめします。 編集部: 病院以外に相談できる場所はありますか? 伊藤先生: この病気は病院以外に、精神保健福祉センターや保健所など行政機関でも相談と支援を受けられます。また同じ病気を抱える者同士が集まる自助グループでも支援と適切な医療機関を紹介してくれるでしょう。また、依存症専門サイト「依存症対策全国センター」でも全国の診療機関や自助グループについて調べられます。 編集部: 最後に、読者へメッセージをお願いします。 伊藤先生: ギャンブル依存症は本人の自覚なしに進んでいく病気ですが、発見が早いほど治療が容易になります。周囲の方がおかしいと感じたら早めに相談することが大事です。また、依存症は国が様々な啓もう活動や相談窓口を設け、その回復を支援しています。 直接病院にかかる以外にも多くの支援の方法があることを覚えておくといいでしょう。
編集部まとめ
ギャンブル依存症は本人の気持ちや性格が原因ではなく、脳の病気です。本人の自覚なしに症状が進むことが多く、身近な人が発見し、サポートしてあげることが治療・回復のポイントです。 病気の治療には病院だけでなく、行政機関や自助グループも利用できます。ギャンブル依存症は、精神療法や自助グループによる内省活動によって、ギャンブルから離れた生活を手に入れることで回復します。 もし身近な人がパチンコなどのギャンブルや賭け事にのめりこみ過ぎていると感じたら、まずは専門窓口に相談してみることが大切です。
【この記事の監修医師】
伊藤 有毅 先生(柏メンタルクリニック) ・専門領域分類 精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。 ・保有免許・資格 医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医