COSが日本の絞り染め職人、田端和樹とのコラボレーションによるカプセルコレクションを発表!
コス(COS)は、田端和樹による京都の「絞り染め」に着想を得たカプセルコレクションを発表し、6 月から販売を開始する。カプセルコレクションは、メンズウェア、ウィメンズウェア、アクセサリーの全14アイテムで構成され、日本古来から続く伝統の絞り染めとモダンデザインを称えている。 【写真の記事を読む】カプセルコレクションのラインナップをチェック
京都を拠点に活動する絞り染め職人の田端和樹さんは、伝統工芸職人として家業に従事していた叔父が亡くなったこときっかけに絞り染めの道を歩み始めた。 「職人が高齢になり、絞り染めの需要が減ると、後継者がいなくなることがよくあります。絞り染め職人だった叔父が亡くなった後、叔母は叔父の絞り染めの道具を処分するつもりでしが、私はもったいないと感じたんです。人も伝統も失ったら終わり、後戻りできない。誰もやらないなら、自分がやるしかない。そう想い、叔母に道具を捨てないでくれと頼みました。それ以来、私は絞り染め職人としての人生をスタートしました」 「たばた絞り」は、縛る、縫う、折る、撚る、圧縮するなどの特殊な手作業による特殊な技法で布を複雑に染め上げ、鮮やかな模様を表面にうみだす京都伝統の手染め技法で、今回のカプセルコレクションでは、「雪花(せっか)絞り」と「手筋絞り」の2つの技法を取り入れている。 雪花絞りは、毛細管現象を利用して三角に折り畳んだ布を丁寧に手染めすることで、独特な雪の結晶のような模様や麻の葉模様とも呼べるパターンが浮かび上がる技法で、手筋絞りは、張力とひだを使った日本の伝統的な染物の技法で、生地を縦に折り、糸を綴じ、染めることで特徴的な縞模様が生まれ、熟練の手仕事ならではの美しい柄が特徴だ。 どちらの技法も絞りを解くまで、どのような模様になるかわからない染め方で、思い通りの柄が現れるまで何度も染め直したという。 コスのデザイン・ディレクターのカリン・グスタフソンはカプセルコレクションについて以下のように述べた。 「コレクションのインスピレーション源は自然です。なかでも水をテーマにし、ファブリックやシルエットで水をどう表現するかを考えました。たとえば、浮遊感やさざ波を表現するためにはどのようなフォルムを描けばいいのか、透明感を出すためにはどんな生地が必要かなどです。そこから、パターンやファブリックをキャンバスにして、田端さんの絞り染めの柄をどう落とし込むのがいいのかのやり取りを進めていきました」 また、コレクションの発売に先立って、京都芸術大学では田端和樹とCOSデザイン・ディレクター、カリン・グスタフソンによるワークショップを開催。伝統工芸が後世に受け継がれるよう、多くの若い世代に「絞り染め」に興味をもってほしいという趣旨のもと、ワークショップには京都芸術大学の学生も参加した。 「千年以上にわたって人から人へと受け継がれてきた絞り染めの技術を私の世代で終わらせてはならないという使命感があります。絞り染めをより多くの人に知ってもらい、評価されることで、 後世に伝えていきたいと考えています。機械やコンピューターでほとんど何でもできる時代だからこそ、 歴史上の先人たちの知恵や技術、試行錯誤、そして熱き想いが込められた絞り染めを後世に残していかなければいけないと思っています。コスとのコラボレーションにより、絞り染めが世界中の人々に知られるようになるでしょう」