佐々木朗希がポスティング申請へ 吉井監督がエール「チームとしてはとても痛い」でも実力「ぜひ証明して」
ロッテは9日、佐々木朗希投手(23)が大リーグ球団へ移籍するのためのポスティングシステムを申請する方針を固めたことを発表した。海外FA権を持たない選手が大リーグ移籍するための制度で、申請手続き後に全30球団に告示され、入団交渉が可能になる。 【写真あり】激レア!ロッテ・佐々木朗希が食レポ挑戦「凄くご飯が進む」 ファンほっこり「この笑顔を守りたい」 チームは今季71勝66敗6分けの3位で、CSファーストSで日本ハムの前に敗退。シーズン終了後、松本尚樹球団本部長は佐々木のメジャー挑戦について「入団当初から毎年話をしているので、今年もそういう話をすることになる」と語っていた。佐々木は越年交渉となった今年1月27日の契約更改後、「将来的にメジャーリーグでプレーしたい思いはある。入団当初からメジャー挑戦の夢は球団に伝えていた」と明かしていた。 「キャリアハイ」を目標に掲げた今季は右上肢のコンディショニング不良などで2度の離脱があり、年間を通じてローテーションを守ることはできなかった。それでも18試合に先発し、プロ5年目で初の2桁となる10勝をマーク。CSファーストS第1戦でも8回無失点、9奪三振で勝利に導き、松本本部長も「2桁勝つのは大変なこと。十分活躍してくれた」と高く評価していた。 同じ岩手県出身のドジャース・大谷翔平と同じ、高卒5年目を終えた23歳シーズンで最速165キロ右腕が海を渡ることになった。大リーグには、25歳未満かプロ6年未満の海外選手はマイナー契約しか結べない「25歳ルール」がある。佐々木はメジャー契約なら少なくとも総額2億ドル(約306億円)以上の価値があるとされ、ロッテはメジャー契約ならば得られるであろう数十億円の譲渡金は得られない。一方で高坂俊介球団社長は今年の仕事始めにおいて「活躍した選手がメジャーに挑戦することについては球団として後押ししていきたい。その考え方は昔から変わっていない」と強調していた。球団は活躍した選手のメジャー挑戦を後押しするというスタンスで容認に至った。 吉井理人監督は球団を通じ「チームとしてはもちろん、とても痛いです。ただ自分もアメリカでプレーをした事があるので気持ちはものすごくわかります。そして若い今、チャレンジしたいという気持ちも分かります。未完成な部分は正直、まだまだありますが、アメリカで自身を磨き、さらにレベルアップすることも出来るのではないかとも考えます。2020年、石垣島キャンプのブルペンで初めて目にした彼の投球は私にとって野茂英雄を初めて見た時以来の衝撃でした。それを向こうでぜひ証明して欲しいです。頑張ってください」とコメントした。 ◇佐々木 朗希(ささき・ろうき)2001年(平13)11月3日生まれ、岩手県陸前高田市出身の23歳。大船渡3年時に高校日本代表候補合宿で高校史上最速の163キロを計測。同年夏の岩手大会は決勝で疲労を考慮されて登板せずに敗れ、甲子園出場なし。19年にドラフト1位でロッテに入団。23年WBCでは侍ジャパンで世界一に貢献した。1メートル92、92キロ。右投げ右打ち。