「中1で英語に挫折する子が増加している!?」“勉強が苦手な小学生”こそ英語学習で救われる理由
小学校高学年は英語学習スタートの「適齢期」
小学校高学年は、早すぎることも、遅すぎることもない、私がイチオシの英語学習スタートの適齢期です。勉強が得意な子も苦手な子も、全員におすすめするスタートラインです。 小学校高学年になると、抽象的な思考力が徐々に発達し、英文法を中心とした効果的な学習が可能になります。高学年でスタートすると結果の再現性が高く、また保護者のサポートも最小限で済むのが特徴です。 さらに、学校教育においても5年生から英語が正式な教科として導入されるため、英語学習を開始する動機やきっかけとなりやすく、自然な流れで英語を開始できます。 この時期に英語学習を始めるメリットとして、英会話スクールや4技能を重視した英語塾だけでなく、多くの進学塾が先取りの英語講座を提供している点も挙げられます。たとえば、ある大手塾では、小学5年生から6年生の間に中学レベルの英文法を完全にカバーするカリキュラムが展開されています。このような学習は、中学受験をしない余裕があるからこそ実現します。 [ある大手塾の2年間の学習カリキュラム] ・小学5年生 be動詞/一般動詞/疑問詞/代名詞/複数形/助動詞/現在進行形/過去形/未来形/接続詞/ There is~の文/ SVC / SVOO /動名詞/不定詞/比較 ・小学6年生 be動詞の過去形/過去進行形/ SVOC /受動態/現在完了/不定詞応用/分詞/関係代名詞/間接疑問文
・2~3年程度の先取りを目指す
またこの学習ロードマップは、中学以降の英語教育との相性がとてもいいのです。文法中心の学習は、「定期テストや高校受験で役立ってほしい」という親御さんの期待を現実的に満たしてくれる策でもあります。ただ、注意してほしいのは、高学年からのスタートは、幼少期の早期教育の英語とは違うということです。 どういうことかというと、幼少期から英語学習をスタートした子に見られる、「小学6年生で英検準1級取得!」などといった派手な成果をもたらすものではないということです。目指すところは、通常の学習ペースに比べて2~3年程度先の学習です。 さらに、文法を中心とした学習の特性上、リスニングやスピーキングの学習がおろそかにならないよう注意が必要です。 たとえば、都立高校入試では英語におけるリスニングの配点が20%を占め、2023年度よりスピーキングテストも導入されました。週に1回はオンライン英会話を取り入れるなど、4技能をバランスよく育成したいところです。4技能のバランス感覚を初期から持つことで、文法に偏りすぎない効果的な学習経験を築くことができるはずです。