<プロ野球>オープン戦の結果、度外視してもOK?
一方、1勝でオープン戦を終えた最下位ヤクルトはというと、勝率8分3厘で65年以降のオープン戦では91年日本ハムの6分7厘(1勝14敗4分け)に次ぐ、下から2番目の成績に終わった。こちらも表1から分かるように、オープン戦最下位だったチームは4位2回、5位2回、6位5回と、そのまま低調なシーズンを送ることが多い傾向が出ており、2年ぶりのクライマックスシリーズ進出を目指すヤクルトにとっては厳しいデータだ。 しかし、2008年には巨人がオープン戦最下位からシーズン1位を成し遂げた過去も。この年は、主力の故障や若手の伸び悩みなどでスタートダッシュに失敗、球団ワースト記録となる開幕5連敗を喫した。しかし後半になると、若手の積極的な起用策が功を奏し、13ゲーム差からの逆転優勝を果たしている。今年のヤクルトも、ケガからの復活を目指すエース・館山昌平が右肘に違和感を訴えて2軍調整中。さらに正遊撃手の川島慶三内野手も、骨折で離脱中と主力にケガ人が続出で、2008年の巨人と同じような状態でシーズンを迎えることになりそうだ。今シーズンの開幕投手を務める可能性の高い2年目・小川泰弘投手や川島の代わりに遊撃手に入ることが予想される新人・西浦直亨内野手ら若手の奮起でデータを覆してほしいところ。 そして意外なのが、オープン戦を2位で終えたチームのシーズン成績。データでは、1位4回、3位5回にBクラスは1度だけと高確率でAクラス入りしており、クライマックスシリーズ進出が堅そう。オープン戦を2位で終えたディフェンディングチャンピオンの楽天にとっては嬉しい情報だ。エース田中の抜けた穴は大きいが、2年目を迎える新人王の則本や大物メジャーリーガー・ユーキリスらの活躍で連覇を達成できるか。 楽天が連覇を狙う上でも台頭してきてほしいのが松井裕だろう。オープン戦では表2にあるように4試合に登板し2勝0敗。さらに、16回を投げて17奪三振、奪三振率の9.56は、同じく高校からプロ入りした松坂大輔や田中将大らの成績と比較しても遜色ない。むしろ、安定した成績から即戦力として計算できるのではないだろうか。松井裕ひとりで田中の穴を埋めることは不可能だが、昨年同様にチーム一丸となって戦うことができれば、連覇も不可能ではないだろう。