【密着】イギリス・ニューマーケット 競馬の聖地で厩舎を営み、200頭の競走馬を調教する娘へ届ける両親の想い
花子さんをイギリスに導いた1頭の馬との出会い
多忙な中、花子さんは昨年「馬文化を広げたい」とアパレルブランドを立ち上げた。時代とともに薄れ行くイギリス伝統の馬の文化や産業を後世までつなげたいのだという。そんな想いを持つ花子さんをイギリスに導いたのが、愛馬キャプテンクック号。高校時代に親の勧めで始めた障害馬術でパートナーを組んだ馬で、人間以上に深いつながりを感じていたという。だがあるとき、腹痛でうずくまっていたキャプテンクックの状態を見抜けなかったことに、花子さんは強いショックを受ける。この出来事を機に、本場イギリスで馬の勉強するため海を渡ったのだった。花子さんの人生の基盤となったキャプテンクック号は引退後、厩舎から引き取って埼玉の両親に託したという。 当時、父・和夫さんは馬のことは何もわからなかったそうで、家でキャプテンクックの世話を始めた当初は近所を巻き込んだ事件もあったと懐かしそうに振り返る。一方、母・照美さんは今の娘の姿を見て「頑張ってやっていることがすごくうれしく思いますし、ロジャーも一緒に仲良くやっててくれるのが最高ですね」と喜ぶ。
世界の頂点を目指す娘へ、両親からの届け物は―
競馬の聖地に渡り30年。夢だった厩舎を手に入れ頂点を目指す娘へ、両親からの届け物はキャプテンクック号の写真と蹄鉄。人生を導いてくれた愛馬の形見に、「彼がいなかったらここにはいなかったと思う」と花子さんは涙声になる。「1頭の馬がこれだけの影響力を与えてくれたっていうのはすごいことだと思うし、だからこそ馬にはすごいパワーを感じる。でも彼は本当に特別な馬で、この1頭の馬のおかげで私は頑張ってきた」。そして、キャプテンクックを家族として迎えてくれた両親へ、「私は自分が思ったことは正しいと思って進むタイプなので、周りにすごく迷惑をかけていると思うんですけど…本当に感謝しています。なのでせめて10年以内にはイギリスNo.1になりたいなって。世界の馬たちと戦って、世界一になれたらうれしいです」と目標を語るのだった。 (読売テレビ「グッと!地球便」2024年7月7日放送)
読売テレビ「グッと!地球便」