【ボクシング】東京五輪開会式で登場した看護師ボクサーがプロ転向 津端ありさが白星デビュー
<プロボクシング:OVER HEAT BOXERS NIGHT111>◇11日◇東京・後楽園ホール 【写真】東京五輪の開会式で演技する津端ありさ 19年全日本選手権優勝などアマチュアで活躍した津端ありさ(31=多寿満)が白星デビューを飾った。 プロ転向初戦となる女子スーパーライト級4回戦で、デビュー2連勝中だったポンカモン・トーンプアク(17=タイ)と拳を交え、3-0(40-36×3)の大差判定勝利を挙げた。1回から左ジャブから上下にパンチをヒットさせると、2回には左ボディー、右アッパーなどで攻め込み、試合の主導権を握り続けた。津端は「まずは1勝をつけたことが収穫」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。 オリンピック(五輪)最終予選がコロナ禍で中止となって東京五輪出場逃したが、続くパリ五輪と出場を逃し「本当は引退を考えていた。2カ月間、ボクシングしていなかったが、プロでやらないかと誘いがあった。何かしらの成績を残したいと思い、環境を変えてプロ転向しました」と明かした。今年5月にプロテストを受験(C級=4回戦)して合格。出身地となる埼玉・狭山市にある多寿満ジム所属し、元日本ミドル級王者・大和田正春トレーナーの指導を受けている。 21年7月、東京・国立競技場で行われた東京五輪開会式の式典に登場した。コロナ禍で五輪出場を逃した非運のアスリートたちの象徴として津端が抜てきされ、白いスポーツウエア姿でランニングマシンを黙々と走る姿を披露。看護師ボクサーは“主役”の1人として話題となった。 津端は「本気でボクシングをやっているので正社員は難しいですが、非常勤では看護師として携わっていきたいです。プロのリングは緊張しました。チケットを売った分、お金を頂いている実感があった。それに見合った試合を、というプレッシャーがありましたね」と振り返った。 プロでの目標は世界王者と掲げている。その上で津端は「大和田トレーナーとともに世界を目指したい。女子スーパーライト級で日本に選手がいないので、第一人者として開拓していきたい。女子には中量級もあるよと。あとに続いて入ってこられる後輩がいてくれたないいなと思います」と抱負を口にしていた。