ドイツの鉄道見本市「イノトランス」に最新バスも出展されているってマジ!?
■聞き慣れない名前から、懐かしい名前まで
久しぶりに見た名前が、1895年にハンガリーで創業した長い歴史を持つイカロスだ。 第二次大戦後の共産主義時代に、ソ連やその周辺国向けに多くの車両を輸出したメーカーとして記憶に刻まれている人も多いと思うが、共産主義の崩壊で多くの顧客が離れていき、いったんは命運が尽きた。 その後、イカロスのブランドは電気バスのメーカーとして甦った。展示されていたのは12m級の大型車(120e V4)と8.5m級の中型車(80e V4)で、展示は無かったが18m級連節車(180e)もラインナップに加わる予定となっている。 日本では、道路交通法により認可取得が必要となるが、海外ではその必要もなく、大都市では連節車の需要はかなり高い。 普段、見かけないメーカーの姿もあった。Arthurは、会社自体はドイツのミュンヘンに本社を置くが、工場はポーランドのルブリンにある。 水素とバッテリー、トロリーの中から地域に合ったオプションを選択できるラインナップで、それぞれ12m級大型車と18m級連節車が用意されている。バッテリー車両は、さらに小型の10m級中型ボディも用意されているようだ。 さらに珍しい、トルコのKarsanという会社も、小型の電気バスを展示した。メーカーそのものは、1966年創業と比較的長い歴史を持ち、他国メーカーのライセンス生産や特殊車両の製造・販売などを行っている。 展示された車両は、他メーカーの車両と比較して、さらに一回り小型のようで、フランスやスイス、北欧のほか、アメリカでもすでに運行されているようだ。 オランダのメーカーEbuscoも、電気バスの展示を行った。2012年に創業した若い会社だが、最初に製作したEbusco 1.0から年々進化し、会場では最新のEbusco 3.0が展示された。前モデルから33キロ軽量化、最大航続距離は500kmに達する。
■全自動運転のデモ走行
一方、メーカーではないが、イタリア鉄道グループのブシタリアが全自動運転バスを展示した。 会場内の周回路では、実際にデモ走行が行われていたが、運転手は乗車しているものの、ハンドルやアクセル、ブレーキなどは勝手に動き、運転手がハンドルから手を放している様子が窺えた。 自動運転は、安全面や信頼性など、まだ課題は多く残るものの、一般乗用車はもちろんのこと、アメリカのタクシーでも実用化が始まっており、バスもいずれは全自動運転となる日が来るのかもしれない。