東芝が米原発子会社の損失開示遅れで会見(全文2)
ウェスチングハウスの情報開示に対して、消極的だったのではないか
NHK:NHKの経済部のヤマダと申します。3点お尋ねをしたいんですけれども、まずその開示のその消極的だったところですけれども、今回その東証の開示基準に触れているということを、多額の減損をしていながら気付かなかったこととか、あるいはその第三者委員会の報告書でもウェスチングハウスのところが調査対象から外れているというその背景には、御社のウェスチングハウスの情報開示に対してやっぱり消極的だったのではないかという指摘が根強くありますけれど、なぜこれまでそういったウェスチングハウスの情報開示に消極的だったのか、このことについてどう考えているのかというのをお尋ねしたいのと、あと室町社長、冒頭に私自身が先頭に立って積極的な開示に努めたいというようなお話をしていましたけれど、あらためてこういった事態を招いたということに対する責任というのをどう受け止めているのかということ。 3点目はウェスチングハウスの今後の業績の見通しというところですけれども、14年間 で64基の新規の受注を目指すというところがありますけれども、非常にその原発事故以降、新規建設に対して厳しい状況ということも指摘されている中で、やはりその15年間でこれほどの受注というのを目指すことができるのかどうか、そこについて、この3点、室町社長にお尋ねできないでしょうか。 室町:私が2問目の質問についてお答えして、残りは志賀のほうからご説明をしたいと思います。私として先頭に立って今後開示姿勢を進めたいということ、それから本件につきましても、開示について消極的だったことに対してどう受け止めているのかということでございます。 もちろんこの本件が投資家の皆さま方、大変ご関心のあるウェスチングハウスの業績の問題に関しまして、900ミリオン、400ミリオンという巨額な減損を適時開示をしなかったということに対しましては、非常に深く反省をしておりまして、経営者の1人として大きな責任を感じております。それにつきましては私としても、投資家、株主の皆さま方がご関心のある開示内容につきまして、今後セグメント情報等につきましてもよりディテールな開示をしてまいりたいと思いますし、それからカンパニーごとのIR等も積極的に進めていきたいというふうに考えてございます。そういうことをすることによって、皆さま方のご理解を深めていただいて、東芝自身のグループの信頼回復に努めてまいりたいというふうに考えてございます。 志賀:先ほどのご質問のほうに私のほうからお答えいたしますと、開示に消極的であったということに関しましては誠に申し訳ないというふうに思っております。その当時の認識といたしまして、2012年のところでまず、今、ご説明したような結果になりました。私ども、ウェスチングハウス全体の公正価値が簿価を超えているという結果を見まして、これで私どもウェスチングハウス、プライベートカンパニーだということもあって、この連結の結果がオーケーであれば、その内容でよしというふうに思っておりました。これに関しましては、ウェスチングハウスに対しての非常に深い関心をもっていただいていることを考慮いたしますと、非常に配慮が足りなかったというふうに今、反省をしております。 冒頭で室町社長のほうから申し上げましたように、過去に関してきちんと反省をして、今後、ウェスチングハウス、また先ほどご説明したランディス・ギアにつきましても、ご関心が非常に高いということを認識しておりますので、減損結果、合否だけなくて、その評価の内容につきまして、結果につきまして今後開示していくというふうに修正していきたいということでございます。 またビジネスプランの前提となっております64、もしくは46基の受注の件でございます。こちらにつきましては、福島以降、プラントの建設というのは確かにスピードダウンしたというところでございますけれども、中国の最近の13次5カ年計画などでも言われましたように、今後世界的に原子炉がどんどん建っていくという状況に変わってきております。先ほどのスライドでご説明しましたように非常に多くの機会がございます。最近、Roderickのほうのインタビューで中国のチャンスであるとか、インドのチャンスであるとか、そういうことを申し上げたことでございますので、実際の拡販活動を行っておりますRoderickのほうから補足の説明をしてもらいたいと思います。 Roderick:クリーンエア、きれいな空気に対する需要というのは世界中に高まっていると思います。これに対して、世界各国の首脳が集まって新しい施策を築いていこうという機運が高まっているのはご存知のとおりです。そして、これを達成するためには原子力なしには立ちいかないということも自明の理だと思っています。問題としてはそれがどのくらいの量になるのかということだと思いますけれども、これから世界中で原子力に対する需要、これを求める声というのは高まっているというふうに考えています。つい先ごろ、2週間ほど前にホワイトハウスのスタッフの会議に私も参加いたしましたけれども、この気候変動、この問題に立ち向かっていくには原子力がどうしても必要だ、そしてこれまで以上の規模で原子力が必要だという声が多く聞かれたことをご報告したいと思います。 ウェスチングハウス、東芝を合わせると、世界で最も先進技術を持っている私たちです。現在、8基の発電所を建設していますけれども、これも完成に近づいている。来年にはインドでも新しい契約の受注を考えていますし、中国でもこれからどんどん大きく需要が増えていく、これからの10年間で最大で50基に対する需要があると考えています。先ほどのご説明にもありましたとおり、中国でも大きな計画を持っているということで、気候変動の問題に対応するには、どうしても原子力が必要であるというふうに考えています。 司会:よろしいですか。ほかございますか。じゃあ、前の、そちらの男性。