ブラックストーン、AI時代先取り-新たな領域の不動産投資に挑む
賃料が上昇し利回りが急低下する中、PE会社はあらゆる面で勝利を収めた。売却益を主な収益源とする「オポチュニスティックな投資家は、良い資産もあれば悪い資産もあるポートフォリオを購入し、利回り圧縮による値上がりを期待することができた」と、コッホ氏はPEファンド全般について語った。
不動産利回りが金利に追随するなら、国債利回りが大幅に上昇している昨今、そのような取引はもはや限界だ。拡大可能で尽きることのない賃料の源泉を見つけることが、今利益を得るための最適なルートなのだ。
ロンドンのオフィス物件の大家であるグレート・ポートランド・エステートのCEO、トビー・コートールド氏は「何でもいいから買って、市場全体の利回り圧縮(価格上昇)の恩恵を受けることは誰でもできる」が、「賃料を増やしたいなら、実際に何をやっているのかを知らなければならない」と話した。
これは、最高のビルを選び、開発し、適切な立地を選び、企業が入居したいと思う場所を作ることを意味する。不動産管理という現場での仕事になる。「物件をうまく運営することが決定的に重要だ」とカプラン氏は結論付けた。
ブラックストーンは今年100億ドルを投じてアパートメント・インカムREIT や一戸建て賃貸物件の家主であるトライコン・レジデンシャルを買収した。これらの市場では賃貸期間が短く、建設が急減しているため、ブラックストーンは賃料を引き上げることができる見込みだ。
技術革新
パンミュア・ゴードンのマネジングディレクター、ティム・レッキー氏は「世界の機関投資家向け不動産の中核を成す2つのセクターが、技術革新によってひっくり返った」と語る。2つのセクターとは店舗とオフィスだ。
ブラックストーンはヘルスケアや映画スタジオ、物流施設など、より新鮮な分野に積極的に参入し、多くの企業よりも機敏に適応していた。
カプラン氏は「私がブラックストーンに入社した1997年当時は、オフィスビルやホテルへの投資が中心だった。買って、直して、売る。2007年に株式を公開した当時は、米国の伝統的なオフィスビルが資産の60%占めていた。現在では、全世界のポートフォリオの2%未満だ」と話した。