【筑後鷹】武田翔太 右肘手術からリハビリ順調 和田毅氏に「投げる姿を見てもらいたい」
4月に右肘内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)と鏡視下肘関節形成術を受けたソフトバンクの武田翔太投手(31)は順調にリハビリを進めている。入団会見の際に憧れの選手として名を挙げた和田毅氏(43)が今季限りで引退。そんな先輩とファンにもう一度マウンドで輝く姿を見せる覚悟だ。 11月中旬に秋季キャンプが終了したタマスタ筑後の室内練習場。3桁選手中心のリハビリ組に背番号18、武田の姿があった。メスを入れてから8カ月。キャッチボールやゴムチューブを使ったトレーニングなど一歩ずつ段階を踏んでいる。「投げるのは遅れ気味でいいぐらい、今はちょっと(回復状況が)早くて前倒ししている感じがあるので、焦らずいきたい」と順調な経過を歩んでいる。 22年8月の日本ハム戦(札幌ドーム)で先発した際に右肘の張りで途中降板し、「右肘内側側副じん帯の炎症」と「浅指屈筋の軽度の肉離れ」と診断を受けて離脱した。肘痛との付き合いはここから。今季は3月5日のヤクルトとのオープン戦を最後にメスを入れる決断をした。4月からリハビリ組に合流。筋トレルームでフィジカル面のトレーニングも並行して行っている。「今は投げることにフォーカスは置いてなくて、基本はフィジカル面の強化です。体を守るためですね」と語った。 武田にとって入団会見で目標に挙げた和田氏が今季限りで現役引退したことは「言葉が出ない」と明かすほどだった。14年の日米野球で初めて会話し、16年からは同じユニホームで戦ってきた間柄で「一緒に練習をさせてもらって。それだけでもかなり吸収するところがあった」と目を輝かせる。 ケガの相談もした。和田氏はオリオールズ時代の12年に左肘の内側側副じん帯再建術を受けており、武田は今回の手術を前に術後のトレーニング方法など助言を受けた。「リハビリ中もお世話になりましたし、(もう一度)投げるところは見てもらいたいなと思います」とモチベーションになっている。 森山リハビリ担当(投手)コーチは「あいつは自分で投げ方がこうだなとか、いろいろ考えてやっているから」と強い信頼のもと放任しながら見守っている。来年4月には32歳になる背番号18。ファンの歓声が待つ舞台へ必ず駆け上がる。 (杉浦 友樹) ○…武田自身は「何もしていない」と謙遜するが、後輩たちは背中をしっかりと見ている。9月に右肘関節内側側副じん帯再建術および右肘頭骨接合術を受けたルーキーの沢柳は「朝イチに筋トレルームに行くと武田さんがいらっしゃる」と証言し、そこでトレーニング方法などを学んでいる。「めちゃくちゃ実績も凄いのにフランクにしゃべりかけてくださる」と尊敬のまなざしだった。 ◇武田 翔太(たけだ・しょうた)1993年(平5)4月3日生まれ、宮崎県出身の31歳。宮崎日大では甲子園出場なし。11年のドラフト1位でソフトバンクに入団。15年と16年に2年連続で2桁勝利。15年のプレミア12と17年のWBCで国際大会に出場。1メートル87、92キロ。右投げ右打ち。