コモドドラゴンに会いたくてフローレス島へ。ガルーダ・インドネシア航空で行く5泊6日の旅
ドラゴン。男のコ(元も含む)にとっては畏怖というか、ある種の憧れともいえる対象ではなかろうか。イメージとしてはファンタジーのなかにのみ存在する生き物って感じだけれども、現実世界にもその名を冠した実在する動物が生息している。 【画像】ジャカルタ行きのGA875便はお昼に出発。雨期ながらジャカルタの天候はまずまずな感じ それがインドネシア「コモド国立公園」に生息するコモドドラゴン。正しくは“コモドオオトカゲ”であり、トカゲの一種ではあるものの、大型の個体は3mを超えるといわれる。ゴツゴツした皮膚なんかを見てもドラゴンと呼ぶにふさわしい雰囲気満点だ。 と、あまりトラベル Watchらしくない書き出しでスタートしてみた。というのも、ガルーダ・インドネシア航空による視察ツアーが実施され、その目的地がコモドドラゴンが生息するフローレス島周辺だというのだ。 ■ 事前の準備でスマートに入国すべし 行くことは決まった。ってことで、事前にちょっと下調べ……と思ったら、2024年8月にトラベル Watchでレポートが掲載されていた。 な~んだ、これ読めばだいたい分かるじゃん。事前準備として必要なのは到着ビザの取得(e-VOA)、電子税関申告(e-CD)の申請といったところか。どちらもどこかに出かけることなく自宅で行なえるので、後々の旅程をスムーズにするためにもスパッとやっておこう。 ただ、2024年8月27日から追加でエムポックス(サル痘)のインドネシア国内への流入防止と感染拡大防止対策として、「SATUSEHAT(サトゥ・セハット) Health Pass」の申告も必要となった。こちらもPCやスマホなどから電子自己申告フォームへの入力が可能。結果はQRコードで出力されるので、プリントアウトまたはスクリーンショットを用意しておこう。 こういった手続きについてはガルーダ・インドネシア航空がWebサイトにページを用意しているので、そちらもあわせてチェックしていただきたい。 そのほか基本的な情報として押さえておきたいのは、まず気候だ。インドネシアはほぼ赤道直下の国で4月から10月までが乾期、11月から3月までが雨期とされている。つまり今(取材は12月中旬)の時期は雨期のまっただなかってわけ。加えて、日本は冬まっただなかだけど、ジャカルタの最高気温は通年30℃台前半あたり。真冬から真夏へ行ってこいするわけだ。服装含めて体調管理には気を配らなければなるまい。 時差はジャカルタでマイナス2時間、フローレス島はマイナス1時間なので、時差ボケになる心配はなさそう。通貨単位はルピア(IDR)で、1ルピアはおよそ0.01円。コンセント形状は「Cタイプ」。これはマルチタイプの変換機があればまずカバーしている。通信手段は海外ローミングが使えるから問題なしと。あとは虫よけや日焼け止め、それにエアコンに弱い人は軽く羽織れる上着があるとベターな感じだ。 ■ ジャカルタ経由でフローレス島へ コモド国立公園にもっとも容易にアクセス可能なのが、フローレス島のラブハンバジョー(Labuan Bajo)にあるコモド国際空港。 日本からの直行便は設定されていないためジャカルタ・スカルノハッタ空港で乗り換える必要があるが、ラブハンバジョーへの国内線は木曜と日曜の週2便だけ。なので、水曜に出発しジャカルタで1泊、木曜にラブハンバジョーに到着、日曜の便でジャカルタに戻り羽田便に搭乗、翌月曜の朝に日本到着という5泊6日(うち機内1泊)が最短で往復できるスケジュールになる。なので、我々のツアーもこの日程となった。 □ガルーダ・インドネシア航空 2024年冬季スケジュール 羽田~ジャカルタ線(毎日運航) GA875便:羽田(11時45分)発~ジャカルタ(17時45分)着 GA874便:ジャカルタ(23時45分)発~羽田(翌08時50分)着 ジャカルタ~ラブハンバジョー線(木・日曜運航) GA452便:ジャカルタ(11時10分)発~ラブハンバジョー(14時35分)着 GA453便:ラブハンバジョー(15時25分)発~ジャカルタ(16時45分)着 海外旅行となると荷物が多くなりがちだけど、ガルーダ・インドネシア航空の日本~インドネシア間のフライトでは無料の受託手荷物がエコノミークラスで46kgまで、ビジネスクラスとファーストクラスでは64kgまでOK。そのうえ個数制限もない。 インドネシア国内線はファーストクラスが40kg、ビジネスクラスが30kg、エコノミークラスが20kgと若干制限されているものの、日本発国際線航空券の一部として購入した場合は日本発と同一条件になるので心配無用。 さらに、受託手荷物とは別にサーフボードやダイビング機材などのスポーツ用品は1セット23kgまで(アイテムによってはサイズ制限あり)無料となっているから、日本からこうした機材を持ち込みたい人にとってはうれしい配慮だ。 さて、ジャカルタへは羽田空港の第3ターミナルから。もろもろの手続きを経て出発スポットへ向かうと、GA875便となるエアバス A330-300型機が乗客を待っていた。基本はこの機材が使用されるもののワリと柔軟な運用が行なわれているらしく、ボーイング 777-300ER型機やエアバス A330-900neo型機などが投入されることもあるとか。実際、復路のGA874便はボーイング 777-300ER型機だった。 ガルーダ・インドネシア航空のエアバス A330-300型機にはコンフィギュレーションが異なる3タイプの機材が用意されているが、今回乗った登録記号「PK-GHA」はビジネス24席、エコノミー263席という仕様。指定された座席は後方の窓側席で、座ってみると膝回りにかなり余裕があることに気づいた。シートピッチは最大で約86cmとふくよかなおっさんが足を組んでも、こぶし1つぶんぐらい余裕がある感じでとってもゆったり。モニターや電源、レッグレストまで備えられているのでジャカルタまでの8時間は快適に過ごすことができるはずだ。 羽田空港を飛び立っておよそ1時間もすればランチタイム。洋食と和食を選ぶことができたので、しばしのお別れとなる和食をチョイス。エコノミークラスとあって品数やボリュームは少なめ(おっさん主観)ながら、しっかりとした出汁で味付けされたちゃんとした和食で、とても美味しくいただくことができた。おなかもくちて少しうとうと、気が付けばすでに赤道を過ぎたあたり。到着まで1時間ほどとなったところでアイスクリームが配られた。寝起きのアイスはしみる~。 ■ インドネシアに上陸。伝統的なディナーのあとは5つ星ホテルのスイートルームに宿泊!? 多くの船舶で混雑するジャカルタ湾を眺めながら、ほぼ定刻どおりにスカルノ・ハッタ空港に着陸。ガルーダ・インドネシア航空が発着するのは同港のなかでももっとも新しく広大な面積を誇るターミナル3(T3)で、同社が加盟するスカイチームの航空会社もこのターミナルに入っている。 しかし、このT3、内際共用でとても広いというか東西に長い。到着したスポットが一番端だったこともあるけれど、イミグレーションまではたっぷり10分以上を要する感じだ。それでも、ところどころにフォトスポットのような場所があったり、一定間隔で置かれている消火器がアートな感じでデコレーションされていたりと、それらを冷かしているとあまり退屈せずに到着できた。 書類はキチンと準備できているのであっさり通過できるかと思いきや、「入国目的は?」にはじまり、「何日滞在するのか」「次はどこへ行くのか?」「ホテルはどこか?」など、なぜか質問攻めにあった。ほかのツアー参加者は入国目的ぐらいしか聞かれてなかったのに、そんなにおっさんは怪しげに見えますか!? つたない英語でなんとか尋問を切り抜け無事に入国を果たせた。 続いての税関はe-CDのQRコードを提示するだけであっさり通過。あれ、そういえばSATUSEHAT Health Passの結果ってまったく提示する必要がなかったけど……。後ほど、インドネシアへの一時滞在を許可する旨のメールと添付ファイルが届いた。これはコモドドラゴンに会うために後日訪れる「Loh Buaya Komodo National Park」への入場申請に必要となるので、消してしまわないように注意したい。 荷物を受け取ると日本時間ですでに21時を回っていたけれど、ルピアへの両替は空港内で済ませておきたい。ツアーでの訪問先ではカードが使えるため現金はさほど必要なかったので、とりあえず3000円だけ交換。新札旧札まぜこぜで両替所に渡すと50000ルピア札6枚になって戻ってきた。レシートなどは一切なくとてつもなくざっくりな感じ。 さすがにお腹がすいたのでホテルにチェックインする前に夕食タイム。今回のツアーでは「Plataran(プラタラン)Menteng」でのウェルカムディナーがセッティングされていた。そこへの移動のために用意されたミニバンが到着するまでの間、しばし屋外で待機することになったが、真冬の日本から一気に夏に戻った感じでとにかく蒸し暑い。エアコンの効いたミニバンの車内がありがたく感じられたのであった。 プラタランはインドネシアのホスピタリティグループで、8か所のリゾートホテルに加え20か所のレストランなどを展開している。今回のツアーでもラブハンバジョーでは「プラタラン コモド リゾート&スパ(Plataran Komodo Resort&Spa)」に滞在する予定になっている。 このジャカルタにおいてもいくつかのレストランを擁しており、なかでもPlataran Mentengはジャカルタの中心部に位置し、インドネシアの伝統的な料理が楽しめるというスポット。3階建ての建物はオランダ植民地時代の家屋を改装したもので、歴史を感じさせる室内は重厚な雰囲気満点。貧乏旅行が常の自分ではちょっと尻込みしてしまいそうな感じだ。料理はアペタイザー、スープ、メインコース、デザートと充実したもので、味はもちろん盛り付けも美しく大満足の内容だった。 ちなみに、ちょっと話が横道にそれるけれど、東京に出かける機会が多い人なら、もしかするとプラタランの名前を聞いたことがあるかも。というのも、プラタランがプロデュースするレストラン「Plataran RESORT&RESTAURANT」が新宿にあるのだ。こちらでもオリジナルレシピをベースにした料理が楽しめるので、興味はあるけどインドネシアまではちょっとなんて人はチェックしてみてほしい。 この日の宿はPlataran Mentengからほど近い5つ星ホテル「グランドハイアット ジャカルタ」。中心部に「歓迎の塔」が建つラウンドアバウト「Bundaran Hl」の横で、すぐ隣には日本大使館もあるという日本橋やら銀座やらみたいな立地。場所的にはビジネス向けのようにも思えるけれど、スイートを含めて全415室ある客室と「Le Grand Chef」など8つのレストランに加え、フィットネスセンターやプール、ジョギングコース、テニスコースまで併設されている。 ここで案内されたのはなんと10部屋しかないという「キャピタルスイート」。ソファとテーブルを備えたダイニングルームにベッドルーム、バスルーム、パウダールーム&ウォークインクロゼットまで備えたまさにスイートルーム。同ホテルは開業してからおよそ30年が経過しているというが、内装は随時リノベーションを行なっているそうで年季を一切感じさせない美しさ。ちなみに宿泊費はおよそ1泊300米ドルからということだったが、キャピタルスイートは2000米ドル前後と聞いて卒倒しかけたのは内緒だ。ええ、でも、8時間ぐらいしか滞在できなくてほぼ寝るだけなんですけどね……。 ちなみに滞在直後の2024年12月27日にアンバウンド コレクション by Hyattの新ホテル「Keraton at The Plaza」がすぐ隣にオープン。Keratonは王宮を意味する言葉で客室はインドネシア風のインテリアを備えた全138室となる。 スイートルームで一夜を明かした翌日。ロビー階にある「GRAND CAFE」で朝食をいただく。基本はビュッフェで朝は6時から営業しているのがうれしい。インドネシア料理はもちろん中華や洋食など幅広いメニューが揃っていて目移りしてしまう。朝食を食べたらいざ空港へ向け出発。ということで第1回はここまで。次回はいよいよラブハンバジョーに上陸するのだ。
トラベル Watch,安田 剛