「野球やってる場合か」葛藤越え<がんばろうKOBE>でファンとひとつに…オリックス・バファローズ元球団職員・池見裕弘さん
「スポーツは感動を与えてくれると言うが、それは素晴らしい技術を見てのもの。この年は、そうではない。オリックスが復興の象徴となり、快進撃を見せ、勝利をつかんでいったことへの感動。スポーツの枠を超えていた」
「がんばろうKOBEには『(チームも)一緒にやるから頑張って』という思いがあった。優勝したことで、プロ球団として役割を果たせたのかな」 2004年の近鉄との統合後、大阪が本拠地となったが、試合は毎年、神戸でも行われている。
「試合があることで、神戸とオリックスのつながりを考え、震災を知るきっかけになるかもしれない。神戸での試合で当時を思い出してもらえるので続けてほしい。震災を風化させちゃいけない」
(松本慎平)
いけみ・やすひろ
1956年生まれ。神戸市北区出身。アパレル会社から91年にオリックス球団へ転職。営業担当として、95、96年にリーグ連覇、96年に日本一を果たしたチームとファンをつないだ。グリーンスタジアム神戸の球場長だった2003年、近距離でプレーを楽しめるフィールドシートをベンチ横に設置するなどボールパーク化を推進。21年9月に球団を退職した。