もっと考察『光る君へ』「なぜ『道綱の母』なの?歴史に残る人物なのに名前がわからないって!」平安初心者の夫に「名前の感覚」について語ってみた(特別編2)
ついに紫式部誕生!『源氏物語』執筆開始?と期待の高まる大河ドラマ『光る君へ』(NHK/日曜夜8:00~)ですが、8月11日は「パリオリンピック」の模様を放送ということで一週お休み、31話は18日まであずけです。この機会に、クロワッサンオンラインにて「考察『光る君へ』」を毎週大好評連載中のつぶやき人・ぬえさんと、絵師・南天さんによる特別企画の第二弾をお送りします。大河ドラマは好きだけど平安時代はわからないことだらけだという夫の疑問に、ぬえさんが『光る君へ』のシーンを引き合いに魅力を解説する特別編、第2回のテーマは「女性の名前」(第1回は「衣装の違い」)、30話のレビューは8月17日公開予定です。
作品は残ってるのに、作者名がないなんて
「みちつなのはは?……母?なんで?」 大河ドラマ『光る君へ』を観ながら夫が困惑しきった声を上げた。 5話で兼家(段田安則)の妾・寧子(財前直見)が登場した瞬間に、私が 「『蜻蛉日記』の作者!藤原道綱母出てきた!」 大喜びしたのを聞いて数秒の間があってからのことだ。 「ん? 藤原道綱母。小倉百人一首の『なげきつつ一人寝る夜のあくるまはいかに久しきものとかは知る』の作者です」 「その歌は知ってるけど『道綱の母』って……。オープニングでは、財前直見は藤原寧子となってた」 「役名ですね。兼家の妾、道綱の母の名前はわかってないので」 「そうなんだ」 その場ではそれで終わった。が、先日の週末ドライブ中、高速道路で渋滞にハマって動けなくなった車内で唐突に夫が言い始めた。 「あの『みちつなのはは』なんだけど。わからん、なんで名前がない?」 「わっ、びっくりした。それ、あれからずっと考えてたの?」 「作品は残ってるのに、作者名がないなんて」 「えーと……『源氏物語』作者の紫式部も『枕草子』を書いた清少納言も、本名はわかってないんです」 「そういえばそうだった。むらさきしきぶ、せいしょうなごんも個人名としては変だもんな。ドラマではまひろ(吉高由里子)、ききょう(ファーストサマーウイカ)だ」
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