宇宙を独走するスペースXの秘密 2年後に火星へ?何を狙うのか…【報道1930】
科学ジャーナリスト 寺門和夫氏 「(打ち上げたロケットが)鉛筆が上から降りてくるように着陸する方法を彼ら(スペースX)は成功させているわけです。アメリカの大企業はみんな“そんなことできるわけないだろ”って言った。その時スペースXの人はジョークとして“大企業が役員会1回やるくらいの予算でできますよ”って言った。やっぱりベンチャーの動きの素早さ、技術者の熱心さ、ノウハウの活かし方が結集しているってこと…」 ■イーロン・マスク氏VSジェフ・ベソス氏 スペースXのスターリンクによる衛星通信がウクライナでの戦争でも活用されているように宇宙事業の軍事活用は必然だ。だからこそアメリカ空軍もスペースXを支援した。 そして、スターリンクのようなシステムが欲しくてたまらないのが中国だ。中国は中国版スターリンクのために将来的には『中国衛星網絡集団』など3社で約4万基の衛星を打ち上げるとしている。笹川平和財団の小原凡司氏は言う。中国の宇宙開発は軍と切っても切り話せない、と…。 一方、アメリカ国内でも民間による宇宙競争が始まっていた。もちろん先頭を走るのはイーロン・マスク氏のスペースXだが、ライバルとして登場したのがジェフ・ベソス氏率いるアマゾンだ。澤岡名誉学長は2社が切磋琢磨していると語る。 大同大学 澤岡昭 名誉学長 「あまり日本では知られていませんが、ベソスさんは私財を1兆円以上この宇宙産業につぎ込んだ。それで作った会社が素晴らしいロケットエンジンを作った。アメリカ国内でマスクさんと競り合っている。ベソスさんの会社が作ったエンジンが凄く良くて政府の新しいロケット(バルカン)に搭載されることになった」 日本のロケットは高性能を求めて高価な水素を燃料としているが、マスク氏とベソス氏のロケットエンジンは低価格のメタンを燃料とする。運用に差し支えないパワーと性能に割り切ることでコストを大幅に下げた。 大同大学 澤岡昭 名誉学長 「アマゾンは(ロケットエンジン開発を)ずーっと秘密にしていた。それで数年前突如として実験に成功したよって出てきた。ベソスさんはアメリカで非常に人気がない。秘密主義だから。対してマスクさんはオープンですから凄く人気がある。これからトランプさんの政権のもとベソスさんがどうするのか非常に興味がある…」