「うどん1日40杯売れば月額39万円持っていかれる」…韓国・大手が配達手数料の引き上げ、怒る飲食店
【08月23日 KOREA WAVE】韓国の配達プラットフォーム「配達の民族」が仲介手数料を9.8%に引き上げたことで、自営業者やフランチャイズ業者の間で不満が噴出している。家賃・人件費などのコストが増加する中、手数料の負担が重くのしかかる。ただ「配達の民族」が市場独占状態にあるため、経営者ら従わざるを得ないと嘆く。 「商売するのは自営業者で、利益を取るのは『配達の民族』。自営業者が成長するのはどんどん難しくなる」と、あるフランチャイズ・チキン店の関係者は嘆いた。かつて「共生する」と約束していたものの、その約束が空虚なものとなり、親会社の独系企業「デリバリーヒーロー(Delivery Hero)」の利益を肥やしているという無力感がもれる。 配達の民族は9日から仲介手数料を従来の6.8%から9.8%(付加価値税別)に引き上げ、1.5倍に増加させた。付加価値税を含めると10.8%になる。配達料金は地域ごとに100~900ウォン(約11~99円)下げるとしているが、仲介手数料の大幅な引き上げにより効果は薄い。仮に1万ウォン(約1100円)のうどんを1日40杯販売したとすれば、配達の民族に支払うべき金額は決済手数料を含めて月額337万ウォン(約37万円)だったものが、352万ウォン(約38.7万円)に増加する。 こうした状況下で、自営業者たちは家賃や人件費、電気料金の上昇に加えて仲介手数料の引き上げにも耐えられないと訴えている。価格を引き上げることも難しく、手数料の負担は全て自営業者にのしかかっている。ソウル市城東区(ソンドング)で軽食の配達と持ち帰りを提供している飲食店経営者は「今でも利益がないのに、このままでは行き詰まりそうだ」と語った。 多くの自営業者は「配達の民族」に出店しないと商売ができないとして、配達市場が実質的に「独占構造」にあると主張する。「配達の民族」の市場占有率は70%を超え、先月には利用者数が過去最大を記録した。これに対し、フランチャイズ・チキン店の経営者は「配達の民族なしでは商売が難しく、無理にでも配達の民族に従わざるを得ない」と憤りを見せた。 一方で、配達の民族がかつて自営業者と「共生」を唱えていたにもかかわらず、その約束が実現されていないとの批判も多い。特に、配達の民族を所有するデリバリーヒーローに対する反感が強い。先月初め、「優雅な兄弟たち」代表のイ・グクファン氏が辞任し、デリバリーヒーローのピーター・ヴァンデフィールド氏が暫定代表に就任したことから、今回の手数料引き上げはデリバリーヒーローの決定だとみられる。 ソウル市西大門区(ソデムング)で丼物の配達業を営む自営業者は「手数料の体系がますます複雑になっているのも問題だ」と指摘する。特に年配の経営者にとって手数料の計算や理解が難しいそうだ。また、あるフランチャイズ企業の関係者は「加盟店の売り上げの65~70%が配達プラットフォームに依存しているため、支配的事業者である配達の民族の手数料引き上げは大きな打撃だ」と述べた。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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