「お金はあの世に持っていけないのに…」「お金を貯め込みすぎた高齢者」の超せつない末路「そんなに貯めてどうするの?」の高齢者が多すぎる現実
老後が不安なのはわかります。 でも現実を見れば、老後は現役世代のようにお金がかかるわけではありません。 70代、80代になれば、それほどたくさん食べられません。 旅行や遊びに行こうにも、気力も、体力もなくなります。 物欲も薄れ、欲しいものもなくなります。 若いときはゴルフや旅行などのぜいたくを好んでも、年をとれば「いまは庭いじりをするのが何より幸せ」「出かけるのは朝の散歩と日常の買い物だけ」といった人が増えてきます。
80歳の人に100万円を渡して「好きに使え」と言っても、使いどころがなくて困ってしまうのが現状なのです。 そう、高齢になればなるほど、お金は不要になるのです。 もちろん、現役時代よりも医療費や介護費などは必要になるかもしれません。 しかし国民皆保険制度のある日本において、自己負担額が何千万円にも上るといった可能性はほぼないと言ってよいでしょう。 ですから、まだまだ元気な50代、60代のうちに、「計画的にお金を使って楽しむ」ことをしてほしいと思うのです。
もちろん、お子さんやお孫さんに財産を残したいという気持ちもわかります。 でも、自分で築いた財産は、自分の楽しみに使ったほうがいいというのは、たくさんの高齢者を見てきた私の思いでもあります。 それに、親のお金をあてにしない人生のほうが、結果的にはお子さんやお孫さんのためになるのではないでしょうか。 ■「いまさら『お金の使い道』も『欲しいもの』もない」 ここで、2つのケースを紹介します。 独身でコツコツ働いてきたKさんのケース
独身で長年働き続け、慎ましい生活を送りながら老後のためにコツコツと数千万円の資産を築いたKさん。 いざ老境に入ると、「いまさら『お金の使い道』もないし、『欲しいもの』もない」とおっしゃいます。 遺言書も作成済で、すべて団体等に遺贈するとのこと。 Kさんは現在施設に入居されていますが、「もっと設備の整ったいい施設がありますよ」とすすめても「近くの、普通のところでいい」というのです。 なんのためにまじめに働き、お金を貯めてきたのかと思うと、せつなくなります。