「お金はあの世に持っていけないのに…」「お金を貯め込みすぎた高齢者」の超せつない末路「そんなに貯めてどうするの?」の高齢者が多すぎる現実
一度に億単位のお金を手にしたNさんのケース もうひとりは、長年社長を務めてきたNさんです。 Nさんは在職中に会社をどんどん大きくし、引退時に保有していた自社株をお金に換えたため、いきなり数億円を手に入れることになりました。 実際には、資産管理会社を設立するなどのアドバイスをしていますが、「この年でいきなりこんなにお金をもらっても、どうしたらいいかわからない。もっと早くお金が欲しかった」というのが正直なところだそうです。
■アリは本当に幸せだったのか お金を上手に使って人生を楽しむにも、知識や経験が必要です。 旅行に行ったことがない人に「旅行でもしてみたらどうですか?」とすすめても、どうやって手配をすればいいのかわからないのです。 若いうちからある程度、自分の好きなこと、やりたいことにお金を使う訓練をしておくのは、老後生活を楽しむコツといえるかもしれません。 「アリとキリギリス」というイソップ寓話があります。 備えることに夢中で遊ぶことを忘れたアリよりも、人生を楽しんだキリギリスのほうがじつは幸せなのではないか──そう感じることも多いのです。
若いときに爪に火を灯すような生活を送り、年をとって気力も体力も衰えてからお金持ちになっても意味はない、と私は思います。 必要なお金を貯めることも大切ですが、しっかり使って人生を楽しむことも忘れないでください。
松尾 拓也 :行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家