沢村賞の選考結果を発表する堀内恒夫委員長（カメラ・清水　武）

　シーズンで最も活躍した先発投手に贈られる「沢村賞」の選考委員会（堀内恒夫委員長＝元巨人）が２８日、都内で開かれ、５年ぶりに該当者なしとなった。 【詳細データ】今季の投手個人成績 　委員会は当初の予定を大幅に上回り、約１時間３０分に渡って議論が繰り広げられた。最多勝を獲得した巨人・菅野、ソフトバンク・有原、日本ハム・伊藤らの名前が挙がり、最終的には巨人・戸郷、有原の２人に絞られたが、いずれもクリアした選考基準の項目数が少ないこともあり、１９年以来５年ぶりに該当者なしとなった。堀内委員長は「帯に短しタスキに長し、あちらを立てればこちらが立たずといったように、難しい選考になりました。一本化するのがなかなか難しく、該当者なしにさせていただきます」と説明した。 　◆沢村賞　正式には「沢村栄治賞」。プロ野球創成期に活躍した故・沢村栄治氏（巨人）の功績をたたえ１９４７年に制定された。２リーグ制となった５０年からはセ・リーグの投手が選考対象だったが、８９年から両リーグに広げられた。選考基準は〈１〉１５勝以上の勝利数〈２〉１５０以上の奪三振数〈３〉１０以上の完投試合数〈４〉２．５０以下の防御率〈５〉２００イニング以上の投球回数〈６〉２５以上の登板数〈７〉６割以上の勝率※日本版クオリティー・スタートの達成率を含む他の成績も考慮して選考する。選考委員は今年から斎藤雅樹氏が１９年ぶりに選任され、堀内恒夫委員長、平松政次氏、山田久志氏、工藤公康氏の５人となった。受賞者には金杯と副賞３００万円が贈られる。