なぜ「コナズ珈琲」は人気? 好調のカギは“あえて”回転率を求めない居心地の良さ
作業は効率化しても、「回転率」の向上は求めない
顧客の「体験」を重要視することから、滞在時間の制限を設けていないのもコナズ珈琲ならではだ。
┌────────── お客様の回転率を上げることは一切求めません。リラックスして何時間でも過ごせることを大事にしています。接客においては、ガチガチにマニュアルを作るというより従業員一人ひとりのおもてなしの感覚を大事にしています。こちらからお願いしているのは、来店時にドアを開けての笑顔でのお出迎えと、退店される際のお見送りです(阿部氏) └──────────
できる限り従業員がドアを開けて「ようこそ」と明るくお迎えし、感謝と共に「またお越しください」と見送ることを心がけているという。
心地よい空間で時間を気にせず過ごせるのはコナズ珈琲の魅力であり、顧客に支持される理由になっている。しかし、それゆえ長時間滞在する人が多く、待ち時間が発生しやすい。特に人気のある幕張店や2023年12月にオープンした八千代緑が丘店は、3時間もの待ち時間が発生することもあるという。そこで待ち時間を減らそうと、従業員の作業効率を高める工夫を徹底しているそうだ。 ┌────────── 作業効率を重視したキッチン設計に無駄のない動きで、規定内の時間で料理を提供するようにしています。加えてお皿のサイズを小さめに変えて、1度に2~3枚を運べるように工夫しました。約9割が女性従業員なので、以前の直径30センチの大皿では1度に1枚しか運べなかったのです(阿部氏) └──────────
2028年度までに100店舗が目標、海外展開も視野に
冒頭で伝えた通り、コナズ珈琲の業績は好調であり、2028年度には100店舗の運営を目標にしている。
┌────────── 一番に広げたいエリアは関東です。ただ、90坪以上の店舗面積に約50台分の駐車場を設けられる広さが必要であり、条件に合う土地を見つけるのは容易ではありません(阿部氏) └──────────
店舗数が増えるにつれ、人材をどう集めるか、集めた人をどう教育するかも課題になるという。 ┌────────── 現状は『コナズ珈琲の空間で働きたい』という方が多く集まるのですが、人手不足が叫ばれるなかで、今後は採用が難しくなる可能性があります。この点は、交通の便があまり良くない郊外に出店する難しさかもしれません。また、新店舗出店時の人材教育も課題です。質の高いサービス提供を継続できる体制を整えていかなければなりません(阿部氏) └──────────