ハリスさんはどんな人?今、世界で1番注目の女性 初づくしの59歳、ジェットコースターの選挙劇の主役に
4年に1度のアメリカ大統領選で、2024年7月下旬に撤退を表明したジョー・バイデン大統領(81)に代わってカマラ・ハリス副大統領(59)がホワイトハウス死守を願う民主党の期待を一身に背負っている。短期間で党の支持をまとめ、8月19~22日にイリノイ州シカゴで開かれた党大会で「新たな道を切り開こう」と呼びかけた。9月10日には共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)と初めての討論会に臨み、メディアから「ハリス氏の勝利だった」と評価を受けた。バイデン政権発足から3年半、表舞台に立つ機会が少なかったハリス氏はどんな人物なのか。トランプ氏に勝利し、初の女性大統領になるのだろうか。選挙劇の新主役の登場に全世界が注目。投開票は11月5日に迫っている。(共同通信ワシントン支局 比嘉杏里) 【写真】ハリス氏、放送禁止用語 下品な言葉を交え 珍しく感情が高ぶった様子に会場は…
※記者が音声でも解説しています。「共同通信Podcast」でお聴きください。 ▽バイデン氏への高齢不安ふくらみ、舞台は回った ハリス氏の人となりに迫る前に、アメリカ政府関係者が「まるでジェットコースター」と表現した6~8月の出来事をおさらいしたい。 始まりは6月27日、バイデン氏とトランプ氏による大統領候補討論会だった。弱々しいかすれ声で言葉に詰まるバイデン氏の様子に高齢不安が急拡大し、民主党からも一気に撤退論が吹き出した。支持率がじりじり下がり、バイデン氏は追い詰められていった。 7月13日、トランプ氏の集会中に暗殺未遂事件が発生。銃撃の衝撃に加え、血を流しながら拳を突き上げるトランプ氏の映像や写真が共和党支持者を熱狂させた。軽傷で済んだことが「神のご加護」だとされ、民主党支持者の多くは敗北を覚悟した。 約1週間後の7月21日。バイデン氏がX(旧ツイッター)で撤退を表明したことが状況を一変させた。「結束し、トランプ氏を倒す時だ」と呼びかけたバイデン氏は、ハリス氏への支持を表明。ハリス氏が「光栄だ」と応じると、民主党は雪崩を打ってハリス氏の下に結集した。