世界初のドローン発射準空母・第6世代戦闘機…先端武器を誇示した中国
世界で初めて電磁式無人機ドローン発射装置を搭載した4万トン級揚陸艦「四川」が29日に正式出港したと、中国中央放送(CCC-TV)が報じた。27日に上海滬東造船所で進水式を行ってから2日後だ。26には中国西部の成都と東北部の瀋陽でそれぞれ世界初の第6世代戦闘機を試験飛行した。中国が米国のトランプ政権発足を控え、台湾上陸作戦に投入可能な先端武器を誇示する姿だ。 【映像】中国新型ステルス戦闘機の試験飛行 29日に出港した「四川」は上陸作戦のために中国が製作した初の076型水陸攻撃艦だ。3万6000トン級の075型海南級より排水量を4000トン増やし、上陸艇やタンクなど重装備搭載能力を強化した準空母級軍艦だ。CCTVは「四川」には甲板に管制タワーが2つ設置され、電磁気を使用したカタパルト(艦載機発射装置)と着陸装置を採択し、固定翼戦闘機も搭載できると伝えた。出港を終えた「四川」はもう装備装着や海上試験など正式就役のための次の段階に移ったと指摘した。 軍事専門家らは「四川」で中国海軍の上陸作戦能力と速度が向上したと分析した。一般的に上陸作戦が始まれば最初の攻撃は艦載機と大量の無人ドローンが敵の海岸防御陣地を破壊し、続いてヘリコプターと大型高速空気浮揚艇など水陸両用装備を利用して特戦部隊を迅速に陸地に輸送して本格化する。新型揚陸艦の登場で攻撃する位置が相手の海岸から遠くなり敵の脅威を減らすことが可能になった。 米国防総省は最近発表した「2024年中国軍事力報告書」で、中国が絶えず海軍力を強化し、遠洋海域でより頻繁に大規模な活動をし、グローバル影響力を拡大していると指摘した。特に軍艦と軍需支援艦を速いペースで建造し、米軍の対応が厳しい状況だと吐露した。 中国軍事専門家の杜文竜氏は「全世界で無人機を核心艦載機として採択した艦艇は現在のところ中国の076型揚陸艦が唯一」と説明した。中国はすでにヘリコプター空母の075型揚陸艦「海南」「広西」「安徽」の3隻を就役運用している。075型が上陸作戦時に目標を爆撃したり空中戦まで遂行したりできなかったのとは違い、076型は船体規模と戦力が米海軍の最大揚陸艦アメリカ級と日本海上自衛隊のヘリコプター空母いずも級に匹敵する。 ◆「四川」建造着手から1年で進水 中国は軍艦建造で驚くほどの速度を誇示している。香港明報は昨年建造を始めた「四川」が10月にドック建造段階に入り、今年10月に管制タワーと電子式発射装置の搭載を終えたと報じた。12月に入って管制タワーの電子設備装着を完了して甲板塗装段階に入り、年末に進水式まで完了した。中国は今後076型揚陸艦を追加で3、4隻建造するという。 これに先立ち毛沢東の誕生131周年だった26日、中国のSNSには次世代(第6世代)戦闘機の飛行映像が登場した。最初の映像の戦闘機は成都航空機工業集団が研究・開発した。映像にはステルス戦闘機「殲20」2機が左右で護衛する中、翼と胴体が一体化した尾翼のないイチョウの葉のような形態の航空機が都心上空を飛行する場面があった。 別の映像は瀋陽航空機工業集団が開発したものと推定される。 瀋陽の航空機は成都より相対的に小さかった。専門家らは2つのモデルを同時に開発した理由として、一つが失敗すればこれを代替するためのものと解釈した。ロシアの専門家らは中国が第6世代プロトタイプ戦闘機を試験飛行した最初の国であり、前例なく3つのエンジン設計を採択したと指摘した。 特に成都の次世代戦闘機は後面に超音速燃焼ラムジェットエンジンを搭載し、宇宙と近い準軌道高度で極超音速飛行が可能であり、撃墜がほとんど不可能だと、台湾聯合報が29日報じた。 27日には西部西安上空で次世代早期警戒機「空警3000」も捕捉された。中国の戦略輸送機「運20B」基盤で複雑な標的を探知する能力を備えた中国の最新式デジタル配列レーダーを使用すると、香港明報は伝えた。米国防総省は中国の新型軍用機について「認識している」と明らかにしたが、特にコメントはしなかったと、ロイター通信が報じた。 中国の軍事力増強に聯合報は29日、「台湾の海軍力はすでに(中国との)均衡を失った」とし「台湾は軍事的競争より政治的な観点で事態を眺めなければならず、中国も台湾の好評を得るための政治的知恵を発揮するべきだろう」と指摘した。