沖縄の高校出身者が11人? 仕掛け人は“発掘”に奔走する指揮官…豪雪地帯の青森大学に選手が集まるワケ
「すごい原石だよ」…逸材高校生に伝える“愛情”と“熱意”
「青森のこの環境で誰よりも野球と向き合う時間を作った結果、夢をつかんだ先輩たちがたくさんいる。高校時代の実績や立ち位置は関係ない。ひたむきに努力を重ねれば、大学の4年間でそれを覆すことができる。君は気づいていないけど、すごい原石だよ」 青森大OBには蝦名、名原らプロ野球選手だけでなく、高校時代の悔しさを糧に実力を伸ばして社会人野球に進んだ選手が多数いる。近年では鳴門高校(徳島)で補欠だった高井智也内野手がJR四国でレギュラーを勝ち取り、今年の4年生では白樺学園高校(北海道)で注目外野手の陰に隠れていた玉置健士郎外野手が日産自動車に内定した。三浦監督は彼らの「シンデレラストーリー」を交えながら、日本各地で出会った逸材たちに声をかける。
三浦監督は前述の通り取材中、現役、OB関係なく出会った教え子一人ひとりの魅力や背景を嬉々として話してくれた。言葉の節々から感じ取れる指揮官の愛情と熱意は間違いなく高校生にも伝わるはずで、だからこそ選手たちは青森大を選び、期待に応えようと4年間努力する。取材を通して、全国から選手が集まる理由の一端が垣間見えた気がした。これからも青森の地で、出会いの数だけの「ストーリー」が紡がれていく。
(取材・文・写真 川浪康太郎/一部写真 青森大硬式野球部提供)