「タフで自己主張が強い現実主義者」ミラン新監督に就任のコンセイソンとは? 「インテルなどでプレー、ポルトの監督で成功」伊紙が紹介「息子5人のうち4人がプロ選手」
現地12月29日のセリエA第18節でミランはローマと1ー1の引き分けに終わり、試合後にミランのパウロ・フォンセカ監督が解任されたと現地メディアが報じた。今シーズンからチームを率いたポルトガル人指揮官は、わずか半年でその座を追われることとなった。フォンセカ解任の公式発表はないものの、現地メディアによると解任は決定事項で、後任は同じポルトガル人の前ポルト監督、セルジオ・コンセイソンになるという。 【動画】フォンセカの最終戦となったローマ戦は、ディバラにスーパーゴールを決められ、1ー1のドローに終わった 伊紙『Gazzetta dello Sport』は、「12月29日の深夜、ミランはフォンセカの解任を決定した。インテル(5節、2ー1で勝利)やレアル・マドリー(CL、3ー1で勝利)に対する白星、格下チームとの引き分けや敗北など、狂気的で複雑な6か月を経て、ミランでの最後の試合をフォンセカは異議による退場処分で終えた」と伝え、「後任はコンセイソンになるだろう。コンセイソンは2017年から率いていたポルトと6月に破局してからフリーの状況だ。この数週間、ウォルバー・ハンプトンやブラジルのクラブに“ノー”と答えて、ミランからのオファーを待っていた」と報じている。 「ミランがコンセイソンを選んだのは、勝利の履歴書、ヨーロッパでの安定した成績(ポルトを率いた7シーズンで2度のCL準々決勝、3度のラウンド・オブ16進出)、そしてタフな性格を評価したためだ。ミランとコンセイソンは100万ユーロ(約1.6億円)で25年6月までの契約を結び、期間を延長できるクラブオプションが付いている」 現役時代にポルトガル代表としても活躍したドリブラーのコンセイソンは、ポルトで国内リーグを3度制覇。イタリアのラツィオ、パルマ、インテルでもプレーし、ラツィオ時代にはセリエA、コッパ・イタリア、イタリア・スーパーカップ、カップウィナーズカップ、UEFAスーパーカップで優勝と、選手としての実績も豊富だ。 「監督としてのコンセイソンは、タフで自己主張が強い現実主義者だ。フォンセカとは異なり、ボールマネジメントにあまり関心がなく、より現実的でより推進的な4ー4ー2や4ー2ー3ー1を好む。美しいチームというよりは、タフでハード。選手にフィジカルを求め、これまで戦う集団を作り上げてきた」 2024年の夏、ミランは新監督にフォンセカを選んだが、当時はコンセイソンも候補に挙がっていた。同紙の世論調査では、フォンセカが25パーセント、コンセイソンが75パーセントと、多くのミラニスタはコンセイソンを望んでいた。その指揮官がようやくミラネッロに到着する。すでに代理人のジョルジュ・メンデスを含めた契約交渉は済んでおり、正式発表を待つ段階となっている。 同紙は続けて、コンセイソンの人物象にフォーカスした。 「決して裕福とは言えない家庭に生まれ、複雑な青春時代を過ごした。コンセイソンが16歳の時、ポルトの契約に付き添った父は、その翌日にバイク事故で他界。信じられないことに母親は、その2年後に家を出ていった。コンセイソン少年にとって、サッカーが人生のすべてとなった」 「選手時代のハイライトは、ポルトガル代表として出場したEURO2000のグループステージ第3戦のドイツ戦で決めたハットトリックだ。イタリアのクラブを経てベルギー、クウェート、ギリシャでもプレー。2009年にギリシャのテッサロニキでスポーツディレクターに就任したが、天職は監督業だった。ポルトでは7年間で10個のトロフィーを獲得。これはクラブ史上最多のタイトル数だ。また、ヴィティーニャ(パリSGへ)、ルイス・ディアス(リバプールへ)、エデル・ミリトン(レアル・マドリーへ)、ディオゴ・ダロ(マンチェスター・Uへ)らを成長させて、いずれもポルトから世界的ビッグクラブに送り出した」 またコンセイソンには5人の息子がいることでも知られている。28歳の長男セルジオ・マヌエル(アノルトシス/キプロス)、24歳の次男ロドリゴ(チューリヒ/スイス)、23歳の三男モイゼス(アナディア/ポルトガル3部)、22歳の四男フランシスコ(ユベントス)がプロのサッカー選手で、9歳の五男はポルト市にあるサッカークラブFCフォスに所属しているという。 こうしたバックボーンを持つコンセイソンが、8位と低迷するミランをどのように立て直すのか。現地12月30日にコンセイソン新監督の就任が正式に発表される予定で、31日にイタリア・スーパーカップが行なわれるサウジアラビアのリヤドに移動。25年1月3日に、息子フランシスコが所属するユベントスと準決勝を戦う。 構成●THE DIGEST編集部
【関連記事】
- ミランがフォンセカ監督を解任「統治は200日で終わった」大手伊紙も納得「安い失点、普段しないようなミス、テオとレオンとの軋轢…」
- 『セリエA“ビッグ3”前半戦総括:ミラン編』期待外れの8位、答えを出せずにいる試行錯誤に「何らかの形で終止符を打つことが必要だ」【現地発コラム】
- 『セリエA“ビッグ3”前半戦総括:ユベントス編』エースの決定力の低さが勝ちきれない要因「後半戦はトップ4入り争いが焦点に」【現地発コラム】
- 『セリエA“ビッグ3”前半戦総括:インテル編』優勝候補の最有力、積極的なターンオーバーで「チームの総合力は着実に高まっている」【現地発コラム】
- 「活躍をすぐに期待するのは明らかに過大」ミランの“神童”カマルダ、16歳でCLデビュー&幻ゴールも…「段階を踏んで成長し、1~2年後のブレイクが理想的」【現地発コラム】