脅威の「.538」 交流戦首位の楽天で急成長を見せる"逆転の鬼"とは
交流戦単独首位を走る楽天が巨人に劇的なサヨナラ勝利をおさめた。 楽天は6月11日に行われた巨人戦(楽天モバイル)に7-6の逆転勝利で単独首位をキープした。 【動画】9回登板のバルドナードから小郷裕哉がサヨナラヒットを打ったシーン 勝利の立役者となったのは、またも小郷裕哉だった。チームは一時4点差をつけられるも、8回から継投に入った巨人の救援陣を攻めたて、8回に2点を奪い、2点差で迎えた9回。相手守護神、アルベルト・バルドナードの制球が定まらず、押し出し四球により1点差となり、迎えた9回二死満塁の場面。場内も異様な盛り上がりを見せる中、打席に入った小郷はカウント2-2からバルドナードの150キロ直球を右中間にはじき返し、値千金のサヨナラ打をマーク。小郷にとってはこれが初のプロサヨナラ打となり、3時間33分の熱戦に終止符を打った。 まさに"逆転の鬼"だ。5日の阪神戦(甲子園)でも1点を追う9回二死から逆転2ランを放ち、猛虎ファンを沈黙させた。 さらに8日の中日戦(バンテリン)でも、プロ初のグランドスラムをマーク、交流戦13試合を経過し、13打点は12球団トップ、得点圏打率も同じくトップの「.538」と圧巻の勝負強さでチームをけん引する。 このままチームが交流戦優勝を果たせば、MVP候補の最右翼となるがクリーンアップではなく、全試合で1番打者を務める選手が打点王となれば、史上初の快挙となる。チームにとっては9番打者の小深田大翔が出て、小郷が返すというパターンが定着しつつある。 今季がプロ6年目。昨季は自己最多の120試合に出場、夏場に3番を打つなどキャリアハイの10本塁打をマークした。さらなる成長を目指す中で、楽天のリードオフマンとして存分に存在感を示している。 一時は大型連敗など心配されたチームも盛り返してきた。目指す交流戦初Vに向け、背番号51の快進撃も引き続き、期待したいところだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]