「手ぶらで登園!」保育園着のサブスク 縫製から洗濯、配送も自社化し子育てをラクに「保育士の負担を軽減も目的です」
従来ですと汚れた服は保育士さんが洗ったり、そのまま各家庭に戻されたりしています。持ち帰ってご家庭で洗う手間もありますし、保育士さんは「こういう理由で汚れてしまって」というふうに理由を保護者に伝えるためのやり取りが増えます。保育園着のサブスクがあることで、家庭での負担を減らすことはもちろん、保育士さんが保育に専念できる時間を増やすことも目的です。
■縫製工場の余り生地を活用して ── 子ども服はすぐにサイズアウトしてしまいますし、同じ月齢であっても発育には個人差があります。サイズ管理はどうされていますか。
関原さん:70サイズから130サイズまで揃えていますが、実は最も大変なことがサイズの管理です。大手アパレルさんも子ども服からの撤退が相次いでいるのですが、その理由は製造の単価に対して採算が取れないことや、お子さんの普段着にはコスパを求めるご家庭が多いことが挙げられます。すぐに着られなくなってしまう服を買うことに抵抗がある方もいらっしゃいます。 弊社では大手アパレルさんから依頼されて余った生地を利用して洋服を作っています。これは縫製工場で余った反物の管理コストを抑えたいというニーズも汲み取った形です。そのときそのときでどんな洋服が出来上がってくるかは分かりませんので、柄ばかりのことも、無地ばかりのこともあります。
いろんな種類のなかから子どもたちが自分で着たい洋服を選ぶので、子どもの好みが親とまったく違うことがわかることはおもしろい発見でした。普段、親が購入する服の色は、男の子は青や緑、女の子はピンクや紫というふうになりがちですが、子どもたちが自分で選ぶと、男の子がピンクということもありますし、「今日は友達とお揃いにした」という声も聞かれています。枠にはめ込まず、その子の感性を大事にしつつ周りとの協調を学ぶ機会にもなっているようです。
── サブスクを利用すると使い放題で洗濯もいらないとのことですが、月額の利用料はおいくらですか。 関原さん:月額880円から、お着替えやタオルなどを含む月額4708円のプランまであります。保護者の負担額は保育園園によって違いまして、たとえば4708円プランの利用でも1000円を保護者の負担として、残りは園負担としているところもあります。サブスクを導入することで、大切な子どもの命を預かる保育士さんの負担が減り、退職せず長く働き続けられます。その結果、採用のコストが抑えられるというメリットに理解を示してくださる保育園の経営者の方に利用していただいています。