農家集団「ほっかぶりJAPAN」の市場盛況 ドレスコードは「ほっかぶり」
「宣誓!我々ほっかぶりJAPAN一同は・・・」。21日の「ほっかぶり市」の開会式。ほっかぶりをした人々が高らかに宣言し、「ほっかぶりJAPAN!」のポージングで式が締められた。 宮城県大崎市岩出山。この小さな街では2012年11月から、地元で農業を営む30代後半から40代前半のメンバー5人によって結成された団体「ほっかぶりJAPAN」主催の「ほっかぶり市」が開かれている。11月21、22日の開催では地元の野菜販売をはじめ、県内各地から農産物や雑貨などを販売する20店の出店があり、多くの客が訪れていた。
ドレスコードは「ほっかぶり」
この市場の最大の特徴は、ドレスコードが「ほっかぶり」であること。出店する側だけでなく客も手ぬぐいをかぶることが参加条件で、会場は毎回ほっかぶりをした人々であふれる。
「地域に貢献しながら、農業の活性化を図ることができないか」ー。30代後半を過ぎ、自分たちだけではなく地域のことにも少しずつ目を向けられる世代になったとき、同じ岩出山で農業を営む30代から40代の同じ世代の仲間たちで「何か仕掛けようと考えていた」と、ほっかぶりJAPAN リーダーの彦坂祐氏(ゆうじ)さんは話す。 既存の地場産品を売る農業市では物足りない。何か面白い仕掛けができないか、と考えていたときに浮かんだのが、昔の農作業スタイルである「ほっかぶり」。それを、販売する側だけではなく、ドレスコードとして、市場に来るお客様にも協力してもらい、ほっかぶりの人があふれる場にしたい。そんな思いを胸に、ほっかぶりJAPANのメンバーが中心となって「ほっかぶり市」を毎月1回、第3土曜日に開催し続けている。
「岩出山をほっかぶりの聖地に」
春と秋、年に2回開催される「大ほっかぶり市」は、趣旨に賛同した県内各地からの出店で特に賑わいをみせる。会場では地元で採れた農産物だけでなく、ほっかぶりJAPANのメンバーが生産・販売する農産物の加工品も販売される。ほっかぶり市は今月の開催で37回を数え、開始から3周年を迎えた。 「震災での心境の変化は確かにあったが、無理にやっている催しではない。焦らず、楽しく続けていける」と、彦坂さん。「岩出山をほっかぶりの聖地にしたい」と、目を輝かせた。 (若柳誉美/THE EAST TIMES)