「本人がやりきった」石川佳純さんの引退、父が当時の受けとめ語る
在福岡の新聞社、通信社、放送局計14社と日本新聞協会が主催する新聞週間記念の集いが18日、福岡市であった。元プロ卓球選手、石川佳純さんの父・公久さんが「父が語る 石川佳純の新たな挑戦」と題し講演した。 【写真】新聞週間の集いで、石川佳純さんについて語る父の公久さん=2024年10月18日午後7時26分、福岡市、泗水康信撮影 公久さん自身も小学校から卓球を続け、全国大会に出場したこともある。会場では、小学1年で卓球を始めた佳純さんがロンドン、リオ、東京五輪で3大会連続のメダルを獲得するまでの道のりが動画で流れ、会場の約100人が見入った。東京五輪代表の切符をつかむ大会には、佳純さんの妹、梨良さんが付き添って精神的な支えになっていた様子が紹介された。 昨年5月に引退を発表した佳純さん。その年明けごろ、家族には「今まで応援ありがとう」と引退の連絡があったという。「本人がやりきった感がある引退だからちょうどいい時期では」と公久さんは当時の受け止めを語った。その後は、全国を回って卓球に取り組む子たちと交流する「サンクスツアー」に一番力を入れているという。今年のパリ五輪はキャスターとして活躍し、新聞に観戦記も書いた。公久さんは「取材される立場から取材する側になり、負けた選手に話を聞くつらさがわかったようだ」。 公久さんはかつて佳純さんがメディアに取り上げられ始めたとき、どんな娘に育ってほしいか取材でたずねられ「普通の生活をしてほしい」と話したところ、家族に「もっと気の利いたことを言え」と責められたエピソードを披露。「引退した今だったら『普通の生活をしてほしい』と言っても怒られないかな」。そのうえで、この日は「卓球に恩返しをしてもらえれば」と娘にメッセージを送った。(泗水康信)
朝日新聞社