トヨタ、ヒョンデの後塵廃するWRCタイトル争い諦めず。ラトバラ代表「いい結果を残そうと燃えている」
トヨタは今週末にチリで開催される世界ラリー選手権(WRC)第11戦でヒョンデとのポイント差を縮め、タイトルを防衛することを諦めていない。 【フォトギャラリー】還暦“マッチ”が富士を爆走! 近藤真彦、スーパーフォーミュラ車両でテスト走行 過去3シーズン、マニュファクチャラーズタイトルとドライバーズタイトルを獲得してきたトヨタ。しかし今季、両ランキングでヒョンデに差をつけられている。 トヨタは今季10戦中6勝をマーク。これはライバルのヒョンデより2勝多いが、マニュファクチャラーズランキングではヒョンデに35ポイント差をつけられている。 ドライバーズランキングでは、パートタイム参戦で3戦欠場しているセバスチャン・オジェがトヨタ陣営最上位。ポイントリーダーのティエリー・ヌービル(ヒョンデ)とは38ポイント差がついている。 今季は残り3戦。1戦でドライバーは最大30ポイント、マニュファクチャラーズ選手権では3戦で最大165ポイント獲得できるため、まだまだ逆転が可能な差ではある。 トヨタのチーム代表であるヤリ-マティ・ラトバラも、ラリー・チリを前に諦めずに戦うと語った。 「直近2つのラリーは、チャンピオンシップの展望という点では我々の思うようにはいかなかったが、我々は戦いを諦めない」 「シーズン残り3戦で勝利し、プレッシャーをかけ続けるために全力を尽くす。我々のチームはチリでいい結果を残そうという意欲に燃えている。我々はエルフィン(エバンス)、セブ(オジェ)、カッレ(ロバンペラ)と、優勝争いができる強力なドライバーラインアップを揃えている」 「チリでのステージは全般的に流れが速く、我々のドライバーとマシンに合っているはずだ。昨年わかったことは、ドライになるとタイヤの摩耗が激しくなるということだ。だからそれに注意を払う必要がある」 チリ戦では、これまでレギュラー参戦していた勝田貴元/アーロン・ジョンストン組が欠場。代わりに先月のラリーフィンランドでRally1デビュー戦ながら4位入賞を果たしたサミ・パヤリ/エンニ・マルコネン組が起用されることとなった。 一方、今季基本的にマシンをシェアしてきたオジェとロバンペラを同時起用。ここにレギュラー参戦でランキング4番手のエバンスを加えた3台が、マニュファクチャラーズ選手権のポイント対象となるエントリーとなっている。 前戦ラリー・ギリシャでは、パワーステージでオジェがクラッシュしたことにより1-2-3フィニッシュを飾ったヒョンデも、当然ながら勢いをトヨタに渡すまいと気合を入れてチリに向かっている。 チーム代表のシリル・アビテブールはチームとして「細心の注意」をもってラリー・チリに臨むと語った。 「我々はラリー・チリに楽観的に、勢いを持って臨むが、最新の注意を払うつもりだ」 「ギリシャでは素晴らしいチームワークが発揮されたが、しかし、シーズン終盤戦で集中力を切らさないことが肝要だ」 「ヒュンダイi20 N Rally1ハイブリッドは、今シーズンの他のグラベルラリーでその堅牢性と信頼性を実証してきた。だから、アスファルト(を走るラリー)に戻る前に、このサーフェス(グラベル・ラリー)での最後のイベントを力強く終わらせたい」 「すべてのポイントが重要なので、日曜日にどれだけプッシュするかを見極める前に、土曜日の夕方までに首位に立つ必要がある」 「3つのランキングのアドバンテージを守ることが最優先だが、優勝や表彰台も狙っていきたい」
Tom Howard
【関連記事】
- ■勝田貴元、WRCチリ戦欠場へ……ラリージャパン含む最終2戦に向け力強いカムバック誓う。トヨタは若手サミ・パヤリを2戦で起用
- ■ヒョンデ代表、2026年以降のWRC参戦は未確定事項と明かす。ヌービルとの1年契約が撤退の噂加速させるも「今発表できるのがそれだけなんだ」
- ■「岩だらけなのは分かっていた」オジェ、横転クラッシュの責任を認める。運営批判で執行猶予付きの罰金も|WRCアクロポリス・ラリー
- ■ティエリー・ヌービル、ヒョンデWRC残留が決定。タナクと同じく契約は2025年まで……チームの将来は?
- ■WRC、来季に向けてデータ活用の準備進む。新システムでタイヤ戦略やハイブリッドの使い方が”見える化”?