笑い飯・哲夫さんの「がんばりすぎない子育て」。子どもの自信を育てる伝え方は?
子どものことは、ほめて伸ばします
――遊びや勉強も含めて、子どものやる気をさらに絶妙に刺激するような、声のかけ方などはあるのでしょうか。たとえば、ほめ方など、どのようにされていますか? 哲夫:そうですね、子どもにはなんかしらほめるというのは大事ですね。なんでもいいんです。「字がめっちゃキレイだ」とか、「うまくなった」とか。ただそこでやってはいけないのは、兄弟や親戚、子どもの友達と比べてほめること。 子どもは純粋に、親にほめられたらうれしくて、それだけで自信がつくものです。そこに比較は必要ない。そんなことより、「前よりも〇〇になった」とか、子どもの“伸び率”や成長をほめてほしいです。 僕がブロックに夢中になっていたときも、ばあちゃんが「哲夫は大汗をかきながら、何時間も黙ってブロックに夢中になってる。きっとこの子、将来賢くなるんちゃうかな~」「上手にできてるやん」ってずっとほめてくれていたんですよ。僕の場合は大人になってから、ばあちゃんが昔を振り返って「あのときの哲夫はすごかった」とめっちゃほめてくれました。大人の僕でもほめられたことがうれしくていつまでも覚えているので、子どもだったらさらに効果があるんじゃないかな。 「字をきれいに書きなさい」じゃなくて、「字、前よりめっちゃキレイに書けてるやん」とほめられた方が、子どもはうれしくなってさらにキレイに書こうとする。大事なのは、「こうしなさい」よりも、ほめ、です。 自分で熱中して考える、なにかひとつをとことん追求する、そしてほめられることで自然と自信が生まれる。そんな楽しさを教わった気がします。
日常で使える“ツッコミ”を、子どもに覚えさせてみる
――ほめ以外、たとえば子どもがなにか失敗したときなど、効果的な励まし方などはありますか? 哲夫:子どもの励まし方…というと、状況によってさまざまだと思いますが、早いうちから「ツッコミを覚えさせる」というのもひとつの手です。 たとえば嫌なことがあったり、深刻になりそうなことも、ツッコミだったらそれを笑いに変えたり、和やかにできることもある。僕自身が、子どもに注意するときもツッコミ口調になっているかもしれません。 子どもがなにかを落としたら、「落としたらあかんやろ!」ではなくて、「なに落としとんねーん」って、失敗を“ボケ”として遊んじゃうというか。なにも難しいことはなくて、言い方や口調を変えるだけ。結構なんでもツッコミに変換できるんですよ。それに、失敗を和やかな笑いに変えることができれば、子どもは失敗することを恐れなくなります。 ――子どもは、身近な大人の口調をマネしますよね。 哲夫:そう、子どもが“ツッコミ”を使えるようになれば、失敗した友達も傷つかない。失敗は尊いんですよ。人生の糧(かて)になる。場を明るく変換するツッコミを覚えてくれたら、これから培っていくコミュニケーションも、いい方向に向いてくれるんじゃないかなあとちょっと期待してます。