中学受験の“リアル”。「頭のいい子しか受からない」は本当?共働き家庭は不利?
「中学受験を経験していない親」が教えるのは難しいの?
自分自身が中学受験をしたことがなく、勉強も教えられないからサポートできるか不安だという話をよく聞きます。 ただ、今の中学受験は親世代の中学受験とは全然違うものになっています。むしろ経験のある人のほうが戸惑うかもしれません。過去の中学受験と比較せず、一から考えたほうがいいのです。また、親が勉強を教えてあげる必要はありません。 SAPIXでは保護者の方に「主役はお子さん、先生はコーチです。親御さんはマネージャーになってください」と伝えています。 じつはお父さんお母さんが入れ込みすぎて、「ここはもっとこうしなさい」「いつまでにこれをできるようにしなさい」と指示を出してしまい、コーチになろうとしてしまうことがよくあります。 しかし、それでうまくいくことはほとんどありません。子どもは「なにもわかっていないくせに」と反発したり、やる気を失ったりして、親はさらに指示を出そうとするという悪循環になりがちです。 コーチの部分は塾に任せ、生活習慣や身のまわりのこと、スケジュール管理やメンタル面のサポートなどマネージャーに徹するほうがうまくいきます。 どうしても指示を出さなければならない場合は、塾の先生が言っていた話として伝えたほうが子どもは受け入れやすいのではないでしょうか。
すき間時間の対応“だけ”でむしろいい
共働きで忙しいので、うまくサポートできるか不安だという人もいます。 しかし、時間に余裕があるからよいサポートができるとは限りません。 子どもの勉強の進み具合が気になって、つい余計な口出しをしてしまうよりも、忙しいから最低限のことだけやるというほうが、よいサポートになることは多いものです。実際、SAPIX生の家庭も共働きで忙しいケースは珍しくありません。 「すき間時間にできるだけのサポートをする」と決めれば、工夫もできるのではないでしょうか。繰り返し必要になることは早めにルーティン化すればストレスが減ります。 <サポートの例> ・日曜日の夜に、1週間のざっくりしたスケジュールを一緒に考える ・職場での休み時間にスマホで学校の情報収集をする ・塾のお迎えのときに、その日にやったことを聞く ・教材やプリントは教科別のボックスを用意して投げ込めるようにしておく ・学校見学や模擬試験のスケジュールなどは、一覧表にして家族みんなが見られるようにしておく お父さんお母さんも仕事や家事をがんばっていたり、自分の趣味にイキイキと取り組んでいたりすることは、子どもにとってもプラスになります。自分もがんばろうと前向きになることができます。 「本当はもっと向き合ってあげたい、フォローしてあげたいのに、仕事があってできない」という気持ちで罪悪感を持つのは、あまりよくありません。親が辛い思いをしていると感じたら、子どもは安心してがんばることができないからです。
ESSEonline編集部