[MOM4917]草津東FW力石龍之介(3年)_柔剛兼備のストライカー。ミドル弾と「攣る覚悟」の2点目で歓喜もたらす
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [11.9 選手権滋賀県予選決勝 近江高 0-3 草津東高 皇子山] 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 自身の2発を含む、全3得点に絡む活躍。公立の名門校・草津東高を全国出場へ導いた。FW力石龍之介(3年=MIOびわこ滋賀U-15出身)は、「もう、この試合に懸ける気持ちしかないです」という思いを持って足が攣るまで全力プレー。力を出し切り、ヒーローになって決勝を終えた。 この日、心がけていたことは絶対にシュートを打ち切ること。ボールを持つと馬力とDFをかわす上手さも見せながら、最後はシュートで終わることを目指した。前半32分の先制点もその意識がもたらしたモノ。PAでの懐の深いキープから最後は強引に右足を振ったことが、MF波多野凛空(2年)のゴールに繋がった。 その力石は後半、2つのファインゴールで守備陣を助けた。まずは15分、GKのパントキックに競ると、ボールはFW寺川剛正(3年)を経由して自身の足元へ。すると、ミドルレンジから右足を振り抜く。ボールは鋭い軌道を描いてゴール中央へ突き刺さった。 「もう左狙ったんですけど、思い切って打って。(その結果、)真ん中に入ったんで良かったです」と力石。思い描いたコースへ飛んだ訳ではなかった。それでも、前日練習でも撃ち込んでいたというミドルシュートを強気に狙ったことが貴重な2点目に結実。その力石は力尽きるまで足を動かし、ダメ押しゴールも奪う。 後半27分、相手FKの流れから、力石は「(足が攣りかけていたので)もうこの1つのプレーに懸けようと思って、もう全力でスプリントかけて」自陣でインターセプト。一気にドリブルで敵陣ゴール前まで独走する。 最後は「(GKを)かわそうかなとは思ったんですけど、ループの方がいいかなと思って」得意の右足ループシュートを選択。鮮やかなシュートでゴールネットを揺らし、再びチームに歓喜をもたらした。 「その1つのプレーに懸けました。攣る覚悟で、最後の点は取りに行ったって感じです」という力石は残っていたパワーを貴重な1点に結びつけ、直後に交代。ベンチで3年ぶりとなる優勝の喜びを味わった。 牛場哲郎監督が「彼はもうほんとに前線でボールが収まりますし、ゴール前でああいう特長のある技術も持っていて、得点力のある選手です」と説明するストライカー。今大会は決め切れない部分のあったというが、最後にその課題を「乗り越えてくれた」と指揮官も喜んでいた。 その力石は「運ぶドリブルであったり、抜け出し、最終ラインを抜け出してって自分でシュート決めるっていうプレーを見て欲しいです」と語り、選手権での目標については「1番は得点取ることと、あとドリブル得意なんで、それで見てる人は楽しませれるようなプレーをしたいです」。目標は日本一。滋賀県予選で計6得点のエースストライカーが、選手権でもゴールとドリブルで魅せる。