「学童がないから、働けない」どう防ぐ? 日本一小さな村の''保育料ゼロ''学童
── 学童支援員の労働環境における課題が多いことがわかります。 池本 また、学童は学校と同様、さまざまなタイプの子どもが集まるので、本来であれば、その子の性格や特性に合った環境を用意するのが理想です。しかし、支援員も大人数を相手にしなければならず、そこまで手が回らない状態となっています。学童の人手不足は、保育や教育における質の低下につながり、子どもの成長にとって悪い影響を与える可能性もあるんです。 やっぱり学童保育の質を底上げするためにも、行政が学童施設と人に予算をかけることが必要です。そして、もっと学童と小学校の間のコミュニケーションを深め、子どもの性格や特性を共有することで、よりよい支援になるはずです。 学校の職員と学童の支援員を一つのチームと考えることで、業務が効率化されてスタッフ一人あたりの仕事量が軽減できたり、より専門的な対応も可能になるはず。縦割りの壁を超えて、お互いに協力できる関係性を築いていけたらいいですよね。
子どもの放課後の過ごし方は教育格差につながる
── 学童保育には自治体の制度に則った学童と「民間学童」などと言われるものの2種類があります。具体的に何が違うのでしょうか? 池本 料金とサービス内容が大きく異なります。自治体の制度に則った学童には、公営と民営がありますが、いずれも補助が入るので月数千円程度で、自治体によっては無料で利用できるところもあります。一方、「民間学童」は自治体の補助を受けていないので、月3~5万円程度が相場で、夏休みなどの長期休暇では8万円以上と高額なケースもあります。 ── 同じ学童なのに、そんなにかかるお金が違うんですね! 池本 民間学童のほうが料金は高い傾向にありますが、手厚いケアが受けられるところもあります。例えば、塾や各種習い事の機能を兼ね備えているところもあるんです。 他にも、民間では22時頃まで預けることができたり、夕食の提供や送迎サービス付きのところもあります。ただし最近では、自治体の学童でも6割以上が18時半以降まで対応しています。