「精肉売り場が荒らされていた」スーパーに“約50時間居座り”のクマ捕獲 “猟友会まかせ”の駆除に課題も【Nスタ解説】
ホラン千秋キャスター: 秋田のクマの捕獲数が全国で最多とはいえ、クマに慣れることは一切ないと思います。地元の皆さんも心配でしょうし、どうしても市街地にクマの存在が近寄ってきていると言われている中で、この先も不安や危険と隣り合わせだと思うと、地元の皆さんの大変さが身にしみて伝わる感じがします。 井上キャスター: 「クマダス」はすごくいいシステムだと思うのですが、自治体が運営するものなんですか。 南波キャスター: 自治体のホームページに出ているものを逐一住民の方はチェックしながら、危険を回避していくようなシステムになっています。 ■クマの出没相次ぐも、駆除の課題は“猟友会まかせ” 南波キャスター: 危険回避やクマが出た場合にどうするのかというところにも、実は大きな課題があります。 例えば「クマが目撃された」情報が入ると、自治体から猟友会に依頼をします。今回のパターンも同じですが、猟友会がワナの設置やパトロールなどを行い、捕獲・駆除をしていきます。 警察も出動することはありますが、周囲の安全の確保を行うだけです。もし市街地でどうしても発砲しなくてはいけない場合には、警察が判断をした上で撃つことはパターンとしてはあるそうです。 ただこれには、大きな課題もあります。 昔から言われていますが▼猟友会のメンバーの高齢化、▼出動報酬が3000~4000円ぐらいになります。日本ツキノワグマ研究所の米田理事長によると、「猟友会が要請に応じるのはあくまでもボランティア。命をはって作業をするのに報酬が50年前と変わっておらず、安すぎる」という状況になっています。 ■クマの駆除で自治体と猟友会でトラブルも そして、2018年北海道・砂川市では自治体と猟友会でトラブルも起きています。 猟友会が市からクマの駆除要請を受け、市の職員・警察同行で猟友会のメンバーが駆除の際に発砲したという事案です。 このとき、「弾が住宅に届くおそれがあった」危険な発砲だったということで、猟銃所持の許可を取り消されました。 今年10月、猟友会メンバーも処分の取り消しを求めて提訴しましたが棄却されました。北海道の猟友会も「いまの状況ではハンターがすべての責任を負うことになる」と、警察との連携などが整備されていない自治体からの駆除要請の拒否ということも検討するということも話に上がったそうです。
井上キャスター: 自治体の財源がない中、何でもかんでも民間団体に丸投げされ、報酬が少ないから出動するほど赤字になっていく。根本的に見直す時期なのかもしれません。
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