D2C ブランド、オンラインとオフラインを併用した販売戦略がより一般的に。眼鏡のアイバイダイレクトは初の実店舗で試着体験を強化
実店舗の利点
小売への初進出にあたり、アイバイダイレクトは自社のオンラインサービス、特にバーチャル試着サービスをオフラインでも提供することに注力している。「実店舗にない眼鏡も顧客が選べることを保証したい」とマース氏は語った。訪問者はiPadでほかのアイバイダイレクトの商品も探すことができ、店員の助けを借りることでバーチャルで試すこともできる。注文後は顧客の自宅まで度付き眼鏡が配達され、一部の商品に関しては2日以内に受け取ることも可能だ。 オレンジカウンティに店舗を構えることにより、「近隣の大学や家族連れなど、非常に幅広い層の人々を顧客にすることができる」と同氏は言う。同社の顧客の約65%は18歳から35歳であることを考えれば、これは特に重要だ。同氏はまた、南カリフォルニアには多様な年齢層の人々が存在することにも言及した。さらに実店舗をオープンさせたミッション・ビエホというモールは、アイバイダイレクトの視力検査パートナーであるレンズクラフターズ(LensCrafters)の店舗の近くにある。 実店舗のマーケティングについては、店舗体験が円滑になったことをしっかりと確認してからキャンペーンを開始させたいとマース氏は話す。ただしこの取り組みは、まずプレスや現地のマイクロインフルエンサーとのパートナーシップからスタートする予定だという。
実店舗への投資を増やしつつあるオンラインD2Cブランド
これまでアイバイダイレクトはオンラインチャネルを通じて、ワービーパーカー(Warby Parker)やゼニ(Zenni)などほかのD2Cブランドと競合してきた。これらのオンラインブランドの多くは、眼鏡販売の大半は依然として実店舗で発生していることから、実店舗への投資を増やしつつある。たとえばワービーパーカーは、店舗開設と店舗内での視力検査の体制を整えるために多額の投資を行っており、2024年には新たに40店舗をオープンさせる計画だ。 グローバルデータ(GlobalData)で小売部門マネージングディレクターを務めるニール・サンダース氏は、オンラインブランドによる実店舗開設には主に2つの目的があると語った。「まず第一に、そしてもっとも重要な目的として、実店舗はブランドの宣伝になり、より多くの消費者が眼鏡を必要とするときにアイバイダイレクトを検討することを助長させる」と同氏は話す。さらに人々は実際に眼鏡を手に取って確認できるようになり、これは多くの場合に購入プロセスにおいて重要な要素になるという。「これらはすべてアイバイダイレクトにとってプラスに働く」。 サンダース氏はまた、キオスク型店舗は小規模であるため初期投資をそれほど必要としないと付け加えた。「その点アイバイダイレクトは、ワービーパーカーが提案する体験的で面白みに溢れた店舗よりは不利な立場にあるが、価格の安さによりこの欠点を克服できるだろう」。 20年近くにわたって度付き眼鏡をオンラインで販売してきたアイバイダイレクトは、少しずつに対面での小売販売への進出を進めているとマース氏は語る。現在のところは、さらに店舗をオープンさせる予定はない。「この実店舗とデジタルを融合させた店舗を構えることは、当社にとってどのような小売の機会があるのかを把握するための興味深い方法だ」。 [原文:Eyebuydirect opens first physical retail location] Gabriela Barkho(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:都築成果) Image via EyeBuyDirect
編集部